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夢と現の間

作者: 杵島 鵜月

ずっと下書きにいたので。

アルバイト面接3連敗したので悲しみに暮れながら投稿ボタンを押してます。

 私は本が好きだ。

でも内容はよく理解していない。作者の気持ちもわからない。

でも、本が好きだ。

理由はわからない。文字を追うのが楽しいだけかもしれない。

図鑑に載っている写真を眺めるのが楽しいからかもしれない。

本当に、なんで好きなのかはわからない。

それでも好きだというのは可笑しいことだろうか。


 もちろん、漫画も本だから好きだ。

ホラー、コメディ、青春もの、ちょっとだけ大人なものも読んだ。

あねさまの漫画をちょっとだけ無断で借りて読んだら男性同士の恋愛を描いたものがあって、胸がキュゥとなったこともあった。

少年向け漫画を読んで、冒険に胸を踊らせた。

仲間たちとの友情が羨ましくて、二次創作をしたり、友達になりたいなぁと思ってキャラクターを作って日常に紛れ込ませたりする、所謂夢小説ってジャンルにも手を出したりした。

………某夢小説支援サイトにも登録して書き綴った事もあった。なかなかに楽しくて、たまに『曝されてますよ!』だとか、『応援してます!』って拍手コメやキリバンでリクエストが来るのが嬉しかったなぁ。


 苦しいよ。

そんな楽しい過去がたまに胸を突き刺してくる。

黒歴史ってやつだ。

書いた話を忘れたくて、職場での人間関係が辛くなったときにネトサして神の気配がするサイトを見ようとしたら削除されてたりリンク切れしてたりしてて絶句したりして、その悲しみを原動力にしてまた忘れたい話を書いたりした。


 私が書く短い話─SSはどういうわけかバッドエンドばかりだ。

薄々わかっていましたとも。

こうなりたいって願いだと。

好きなキャラクターに殺されたいのだと。

端から見たらバッドエンド、けれど、原作の世界からしたらハッピーエンド。

話を掻き乱す異分子(トリッパー)消滅する(しぬ)のだから。

これもしょうがないんだ。

異分子(トリッパー)消滅させる(ころす)のは主人公(ヒーロー)の役目なのだから。


 “「さよならだ」


 ただ主人公(ヒーロー)は無表情で武器を振りかぶった。

ただ異分子(トリッパー)は微笑んでそれを受け止めた。

ヒロインになんてなれなくていい。君と触れ合えたことが幸せなのだから。”


 感じたことのない体温をあると錯覚し、聞いたことのない声を好きな声だと錯覚した読者の考えた話。


 それを面白いといってくれる閲覧者がいる!

それなのにもう、筆が進まない。

このままこんなSSばかり書いていていいのだろうかと不安になって、自分探しと称してサイトを閉めた。

閉めて、それから



 記憶がなくなった。

無くなったというのには語弊がある。

 名前は宮嶋凛、年齢はそこそこ。性別は女。世間でいう腐女子・夢女子。ちなみに地雷はまだ見付けてない。

嫌われ、逆ハー、ギャグハー、最強、転トリ、逆トリもそれなりに嗜んだものです。

関係ないね。


 さて、記憶がなくなった意味は、サイトを閉めてパソコンを閉じた瞬間に意識が刈り取られるみたいにしてなくなった。

夢小説や小説サイトをはしごしてるとそれなりに嫌な方向に行く。

いや、夢女子からしたらよだれ案件なのだけれど。

でもね、実際は甘くないと思う。

望んだ世界に転トリだなんてどんだけ?それとさ、私の書いていたSSを見るとその先は手っ取り早い死でしかない。

いや、内容的には全く手っ取り早くないしまどろっこしいものなんだけど簡単にいうなら敵側に回って殺されるやつばっかで、それか敵側に捕まって親玉に殺されるんだけど。


 内容が内容だけに心配の声もあったなぁ

フススっと笑ったところで、辺りが真っ暗なところに居るのに気付いた。

少しだけ、不安が過る。

あのこ(ゆめぬし)もこんな気持ちだったのだろうか。

書いてるときに気付かなくてごめんね。


 「ホー?こんな場所に人魂が落ちてくるとは珍しき。」


 声がした方を見ると、巨体があった。フワフワしていそうな毛に覆われているのがわかった。


 「……誰」

 「誰か、と問われると難しきこと、強いて言うなれば、神と称される有象無象の集合体」


 フワフワがぶるりと震えて、縮んでいく。

丁度、男の人の形。


 「人の型のほうが、落ち着くだろうと言われたのでな」


 ………一言いうとね、ストライクゾーン。


 「ふむ…その様子だと、“はぁときゃっち”なるものが出来たようだ。」

 「儚げ高身長細マッチョロン毛片目隠れ横文字拙いお茶目な感じがスゴくストライクですありがとうございます!!

で、ここは何処でしょうか。」


前半ノンブレスで言うと一瞬面食らった顔をした。うわっ好きっ。


 「ふふ、新鮮な反応で驚いた。そうさな、ここは俗世でいう天国とも地獄ともつかぬ狭間の間。死とも生とも無縁の場。

人魂が落ちてくるのは実に何千年ぶりだろうか。」


 弓形に目を細めて笑うのは、なんか嫌な予感がしますね。

大抵ろくなやつじゃない気がする。見た目ものすごく好みなのに。


 「お茶目なのが好きと申したな。」

 「はい」

 「付き合え」


 音もなく神さまは近寄ってきて


 「ほれ、行って来い」


 デコピンをかましてきた。

意識が、飛んだ。

お読みいただきありがとうございました。

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