Re√
ん?あぁ、来た来た!ようこそ、Re√の世界へ!
ボクの名前はアマネ!
今日はキミをこの世界で案内するから、これからよろしくね!
なぁに、たったの2,000文字程度だから、最後まで着いてきておくれよ?
早速だけど、キミは『シュレディンガーの猫』というものを知ってるかい?
まぁ簡単に説明すると…
・猫、箱、気分で毒ガスを発生させる装置を用意します。
・猫と装置を箱で密閉します。
・箱を開けるまで猫の状態が分かりません。
・このとき、箱の中には「生きた猫」と「死んだ猫」の二つが存在する。
・つまり「生きている道」と「死んでいる道」、二つの世界に分かれる。
ざっくりだけど、こんなものかな?
Re√の世界ではこの猫のように、キミと分かれた道の世界を見ていくよ!
手始めに10秒程度、画面から目を反らしてくれるかい?
うん、ありがとう!ただ目を反らしただけに思えたかい?
実は既に分かれた道が存在するんだ!
ボクが観測できたのは…
・指示を無視してスクロールした道
・飽きてブラウザバックした道
・そもそも違うことをしてしまった道
そしてキミは「指示に従った道」を進んだキミだ!
視野を広げれば、もっと沢山の道が見えたかもね!
どう?ちょっとワクワクしてきた?
じゃあ次、行ってみようか!
キミはユメを見たことがあるかい?
そうそう、寝てるときに見える、あのユメだよ!
今度はそのユメを見て貰うよ!
リラックスしてー…そう、ゆっくり目を閉じたらー…。
ってダメダメ!ほんとに寝たらダメだよー!?
それで、キミは普段どんなユメを見るのかな?
…ふむふむ、キミは面白いユメを見るんだね!
そのユメ、実現してるかもしれないよ?
最初の『シュレディンガーの猫』に言わせればね。
「産まれた世界が違う道」のキミもまた、分かれた道を辿ってる。
あっちの世界のキミが、そのユメを実現させてるかもしれないんだ。
もしかしたら一流スターになって一生遊んですごしていたり…。
冒険者として多大な功績を上げていたり…?
え、そこ代われって?それは…また後で説明するね!
さぁどんどん進もう!
次は空間を意識して貰うよ?
突然だけど、人間がタンスの角に小指をぶつける現象を知ってるかい?
あれって足先まで空間認知とコントロールが出来てないからなんだって!
人間の身体って、まだまだ発達途上なんだね!面白いね!
ちょっと脱線しちゃったけど、キミは空間をどう感じてる?
もう一度、10秒ほど画面から目を反らしてみて?
五感で何かを感じたかい?
何が見えた?何か聞こえた?匂いは?
空気はおいしいかい?場は和やかだった?緊迫してた?
うん、しっかり感じられたようだね!
でもキミが感じれたのはあくまでキミの近くの空間のみ。
遠くのものは感じれなかったよね?
動く雲や星だって、ただのハリボテかもしれないんだ。
地球の裏側が、キミと同じ空間を共有してるかは分らなかっただろう?
キミが近づいたときにだけ、キミに合わせて動いてたりしてね!
けど、そう考えるとキミって『シュレディンガーの猫』そのものだよね!
キミは「キミの空間」という箱に閉じ込められた猫。
それと同時に「他者の空間」という箱を観測する人間側でもある。
他者から見れば、箱の中のキミが生きてるのか死んでるのか分らない。
それは逆も然り。
キミの観測できない場所でお友達や親がちゃんと生きているとは限らない。
おっと、ちょっと怖くなっちゃった?
ま、その可能性もあるよね、って軽く思っておけば大丈夫だよ!
逆に観測できない場所でも生きているって考えは普通だし?
深く考えないで、そっと読み流すだけでいいんだよ。
現にキミは今そこにいる、生きている、それだけはボクが保証するよ?
最後はパラドックスについてだ!
タイムパラドックス、なんて言葉が有名だね。
例えば過去に遡って、キミの親を殺したらどうなるかな?
キミは親がいないから、産まれてこない筈なんだ。
でもキミは確かにそこにいるよ?
過去の事象を変えたら、現在に矛盾や齟齬が生じたね。
こういうジレンマをパラドックスっていうんだ。
ちなみに、ボクの存在はボク一人で完結してるでしょ?
でもここで文字となっているボク。
キミの頭の中で音声となっているボク。
既にこの世界には二人のボクが存在しているんだ。
同一人物が、同時に同じ世界に複数いるのはおかしいね。
確かにボクは一人の筈、でも確かに二人は観測できる。
これも一種のパラドックスだね!
さっき、そこ変われって言っていたキミの発言。
あれも、勇者のキミと入れ替わるためにその世界へ行ったらどうなる?
同じ世界に二人いるキミ。
どっちも本物のキミだけど、どっちが本当のキミかな?
『シュレディンガーの猫』はこういうパラドックスが元の説なんだ。
あり得るけど正論ではない仮説。
あり得ないけど的を突いた仮説。
キミにはこの二つを理解し、パラドックスに惑わされないで欲しいんだ。
キミが信じたものがキミの答えだからね。
世界の矛盾に押し流されちゃ駄目だよ?
っとそろそろRe√の世界も終わりだね。
今日はここまで付き合ってくれてありがとう!
楽しかったかい?またいつでもおいで!
Re√の世界はいつだってキミのそばにあるんだから。
それじゃ、またね!
そうそう、ボクってキミの中では
男の子だった?それとも女の子だった?