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剣物語  作者: 渋谷かな
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結婚式

「姫! 俺が行くまで無事でいてくれ!」

 救世主様は、姫を守るためにイビル・キャッスルの王の間から、来た道を戻って行くのであった。

「んん!? あれは!?」

 誰かが戦って倒れているシデンの側にいる。優しい月の光を放射している。

「月!?」

「叶お兄様!?」

 なんとシデンの傷を癒していたのは、叶の妹の月であった。

「おまえ何をやっているんだよ!? それにその恰好は!?」

「私も剣騎士だよ。叶お兄様が心配だから、私と心お兄様でサポートしてあげているのよ。感謝してよね。」

「感謝って。」

 救世主様は、月のおかげでシデンの傷が癒えているのが分かる。

「ありがとう。月。」

「どういたしまして。叶お兄様の仲間の剣騎士たちの傷は癒しておいたから、安心して邪悪なる者をぶっ飛ばしてきてね。」

「おお! 任せとけ!」

 救世主様は、再び駆け足で走って行く。

「目が覚めたら、アイスクリームを買ってやるからな! ありがとう!」

「ははは。叶お兄様らしいわ。よくあんなんで、救世主様が務まるな。」

 月は心配そうに救世主様の背中を見送るのだった。


「姫様!? お逃げください!?」

 その頃、プリンセス・キャッスルでは、護衛の剣騎士のいない中で、邪悪なる者になった伝説の剣騎士デカノーホウトの襲来でパニックになっていた。

「グラビティ!」

「ギャアアア!?」

 デカノーホウトは重力で戦いを挑んでくる兵士を吹き飛ばす。

「姫よ! 逃げても無駄だ! こっちにこい! グラビティ!」

「キャアアア!?」

 重力を操るデカノーホウトは、ミキ姫を重力の力で自分に引き寄せる。

「捕まえたぞ! 姫!」

「いやー! 離してー!」

 遂にデカノーホウトに捕まってしまったミキ姫。

「私の邪悪な魔力を持ってすれば、ここにいる人間を全て私の僕にすることなど容易いものだ。えい。イビル・パペット。」

「キャアアア!?」

 デカノーホウトの指から邪悪な魔法が放出される。ミキ姫もデカノーホウトの操り人形になってしまった。

「デカノーホウト様。ミキ姫様。ご結婚おめでとうございます。」

「ありがとう。さあ、私と姫との結婚式の準備をするのだ。ワッハッハー!」 

 デカノーホウトは姫と結婚できるので上機嫌だった。

「そこのおまえ、神父役をやれ。」

「はい。」

 デカノーホウトは、そこら辺にいた兵士を神父に仕立てた。

「始めろ。」

「はい。」

「邪悪なる者デカノーホウトは、いつ、いかなる時もミキ姫を愛しますか?」

「はい! 誓います!」

「ミキ姫。あなたは、いつ、いかなる時もミキ姫を愛しますか?」

「はい。誓います。」

 その時、操られて拒否できない姫の目から涙がこぼれる。

「うれし涙か? ワッハッハー!」

「・・・・・・。」

「それでは指輪の交換を。」

 粛々とデカノーホウトと姫の結婚指輪の交換が行われる。

「それでは愛の口づけを。」

 神父もデカノーホウトに操られているだけなので、結婚式は止まることはない。

 つづく。

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