水 VS 聖
「死ぬなよ。カエン。」
救世主様は、邪悪なる者になった伝説の剣騎士デカノーホウトを倒すために、イビル・キャッスルを進んでいく。
「よく、ここまでたどり着きましたね。救世主様。」
先を急ぐ救世主様の前に、一人の剣騎士が立ちはだかる。
「おまえは!?」
「私は聖の剣騎士ヒジリ。かつて姫の最強の剣騎士と言われた男です。」
「なんだって!? それでは、おまえは姫を裏切って邪悪なる者に仕えているというのか!?」
「そうです。例え姫の側で、近衛兵、親衛隊、護衛兵をしていても、私には何も得るものがないのです。それならば邪悪なる者になった伝説の剣騎士デカノーホウトに仕える方が、私は得るものが多いのです。」
聖の剣騎士ヒジリは、堂々と裏切った理由を言い放つ。
「許さないぞ! ヒジリ! ミキ姫を裏切った奴なんか、俺が成敗してやる!」
「待って下さい。」
その時、一人の剣騎士が現れる。
「おまえは!? 水の剣騎士ウスイ!?」
現れたのは、水の剣騎士のウスイだった。
「待って下さい。救世主様。この男は姫の剣騎士と因縁のある男。この者の処分は私に任せてもらえないでしょうか?」
「それでいいのか? ウスイ。」
「はい。姫の剣騎士として、決着は着けます。だから救世主様は、邪悪なる者を倒すために、先に進んでください。」
「分かった。ウスイ、おまえを信じているぞ。」
救世主様は、聖の剣騎士ヒジリの相手をウスイに任せて先に進んでいく。
「やっと行ったか。」
「そのようだな。」
ヒジリとウスイは、救世主様がいなくなったら、打ち解けたかのように話し始める。
「救世主様にも困ったものだ。すぐに熱くなってしまう。」
「そうだな。きっと純粋なのだろう。」
「ヒジリ。ご苦労様。おまえが教えてくれなければ、邪悪なる者の住むイビル・キャッスルを見つけることもできなかっただろう。」
「敵のことを知りたければ、敵の懐に飛び込むのが一番だ。私たちには、姫のために得るものが多いということだ。」
「そして、我がイビル・キャッスルの場所を、姫に教えるように仕向けたのが、私だ。」
そこに一人の剣騎士が現れる。
「なぜ!? あなたがここに!?」
「デカノーホウト!?」
ヒジリとウスイの前に現れたのは、邪悪なる者になった伝説の剣騎士デカノーホウトだった。
「ご苦労だった。ヒジリ。物事は私の思い通りに進んでいる。」
「まさか!? あなたが私に操られていたというのですか!?」
「その通り。おかげで救世主様を姫から引き離すことができた。」
「しまった!? 今は、姫様が、お城で一人だ!?」
「おまえたちが私の剣騎士たちと戦っている間に姫の身も心もいただくとしよう。」
ヒジリに自分の居場所を教えさせ、救世主様たちをイビル・キャッスルに呼び寄せて、ミキ姫の周囲から護衛の剣騎士を引き離す、デカノーホウトの策略だった。
「そうはさせないぞ! 姫は我々が守る!」
「どこにも行かせないぞ! デカノーホウト! おまえは、ここで滅びるのだ!」
ウスイとヒジリは、剣を構え戦闘態勢に入る。
「ちょうどいい。私も自分の実力を試してみたかったんだ。レベルがカンストした私の実力を。」
デカノーホウトは、目覚めてから修行に励み、レベルを上限まで上げ終わっていたのだった。
つづく。




