雷の精霊
「フルフル、もうすぐ積乱雲だ。気を引き締めていくぞ。うん? いない。あいつめ。」
積乱雲にサンダーバードの捕獲に向かった天候神の悪魔バアルたち。しかし、地獄の大伯爵フルフルの姿はなかった。
「あとはシデンの生きたいと思う気持ちが強いことを信じるんだ。」
「シデンさん、死なないで。」
雷鬼と雷小僧の雷親子は、殺されたシデンの充電を終えて、一息ついていた。
「安心しろ。すぐに会わしてやるぜ。あの世でな。」
「おまえは!?」
「悪魔!?」
「ケッケッケ。」
雷親子の元に、地獄の大伯爵フルフルが現れた。
「なぜだ!? 私たち親子には手を出さない約束だ!? だからサンダーバードの居場所を教えたんだぞ!?」
「あれは、バアルがした約束だ。だが、俺はおまえたちを助けるとは、約束していないからな。ケッケッケ。」
「卑怯だぞ! うそつき!」
「何とでも言え。全て悪魔には誉め言葉だ。ケッケッケ。」
「クッ!?」
フルフルが雷親子に迫る。
「なぶり殺しにしてやるぜ! ケッケッケ。」
「それはどうかな?」
「なに!? おまえは!?」
その時、フルフルは何者かを見て驚く。
「シデン!」
雷親子が振り返ると、死んだはずのシデンが立っていた。
「シデンさん生き返ったんだね! やったー!」
「ああ、これもおまえが私の体に充電してくれたからだ。ありがとう。」
雷小僧はシデンが生き返ったことを心から喜ぶ。
「バカな!? どうしておまえが生きている!? バアルが殺したはずだ!?」
「おまえのような悪魔を倒すまでは、私は死ぬわけにはいかない。」
「何を!? カッコつけやがって!? 俺が、もう一度地獄を味合わせてやる!」
「こい。悪魔の技は、もう見切った。おまえの必殺技は私には通用しない。」
「下級の分際で生意気なんだよ! くらえ! サンダー・ヘル!」
フルフルが地獄の雷でシデンを攻撃する。
「この世界は剣が全て。剣が最強。おまえの攻撃など、我が剣の前には無意味。」
「シデンの雷の剣気が高まっていく!?」
シデンは剣を構える。
「光れ! 雷光! 轟け! 雷鳴! サンダー・ソード・スラッシュ!」
「俺の雷が切り裂かれていくだと!? ギャアアア!?」
シデンの必殺の一撃は、フルフルの地獄の稲妻を切り裂き、フルフルに命中して倒した。
「やったー! シデンさんの勝ちだ!」
「これもあなたたちのおかげだ。」
「シデン。サンダーバードが危ない。もう一人の悪魔は、サンダーバードのいる積乱雲に向かったはずだ。」
「分かった。私が雷の剣騎士として、サンダーバードを悪魔の手から守ってみせる。」
シデンはサンダーバードのいる積乱雲に向かうのであった。
ピカ! ギラ! っと積乱雲の中は雷が光る雷だらけの不安定な雲の中だった。
「捕まえたぞ。」
天候神の悪魔バアルの手には、雷鳥サンダーバードが掴まれていた。
「これで雷の精霊の剣騎士の鎧は私の者だ。ワッハッハー!」
激しい雷の落雷の音の中、バアルの笑い声も同じように積乱雲の中を響き渡るのであった。
つづく。




