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剣物語  作者: 渋谷かな
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地の巨人

「もうダメだ!?」

「ミヤゲさん! 私の代わりに踏み潰されてください!」

「こらー!? 何でそうなる!?」

「私は死にたくありません!」

 土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人ゴブリンが闇の精霊ドヴェルグが呼び出した砂の巨人ゴーレムに踏まれそうになっていた。

「ガオオオオー!」

 その時だった。

「また!? 地震か!?」

「怖いよー!? もう小人をやめたい!?」

 地底100階の魔のヤブシ再開発ダンジョンに、砂の巨人ゴーレムが現れた時と同じような激震が起こる。

「あれは!? 巨人!?」

「タイタン!? いや!? ティターン!? 地の巨人ティターンです!」

 現れたのは地の巨人ティターンだった。

「誰だ? 俺の眠りを妨げた者は?」

「あいつです。」

「私たちじゃありません。」

 ミヤゲはドヴェルグを指さし、ゴブリンは首と手を横に振る。

「俺の眠りを妨げる奴は許さない! ガオオオオー!」

地の巨人ティターンは、眠りを妨げられ恨みから怒り心頭で砂の巨人ゴーレムに向かって行く。

「ギャアアア!」

 砂の巨人ゴーレムと地の巨人ティターンが殴り合いを始める。

「どうだ! 私の地の召喚魔法は?」

「あの地の巨人ティターンは、土の剣騎士様が召喚されたんですね! 素晴らしいです!」

「それ程でも。ワッハッハー!」

 勝手に現れた地の巨人ティターンを自分が呼び出したと嘘をつくミヤゲ。

「くうっ!? まさか土の剣騎士ごときに、地の巨人ティターンを呼び出すことができたとは!? 油断した!?」

 闇の精霊ドヴェルグもミヤゲの嘘に騙された。本来、ドワーフのような小人たちは素直な性格で純粋なので騙されやすい。

「どうだ? 参ったか? 素直に地の精霊の剣騎士の鎧を返すなら、見逃してやってもいいぞ。」

「フンッ。ここはまだ地獄の一丁目。地の精霊の剣騎士のソード・ナイト・アーマーを返してほしければ、私を追ってくるがいい。待っているぞ。地獄の二丁目で! ワッハッハー!」

 闇の精霊ドヴェルグは、地下二階へと去って行った。

「嫌だ! 地獄になんか行きたくない!」

「なにを言っているんですか!? 地の精霊の剣騎士の鎧を取り戻すんでしょうが? 行くしかない!」

「地下一階ですら、砂の巨人ゴーレムと地の巨人ティターンが出るんだぞ!? 地下二階なんかにいったら、今度はどんな恐ろしい化け物が出るか分からないじゃないか!?」

「ここにいたら、二人の巨人の殴り合いに巻き込まれて死ぬかもしれないんですよ!? それなら、行くしかないでしょう!」

「私の意志は尊重されないのか!?」

「行くしかない!」

「諦めた。行くしかない。」

「行くしかない!」

「行くしかない!」

「そうです! その意気です! 行くしかない!」

「行くしかない!」

「行くしかない!」

「行くしかない!」

 こうして土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人ゴブリンは、闇の精霊ドヴェルグを追って、地底100階の魔のヤブシ再開発ダンジョンの地下二階に進むのだった。

 つづく。

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