北風
「エルフ。今、帰ったぞ。」
「誰がエルフだ!? 師匠と呼べ! 師匠と!」
「エルフは、エルフだ。」
「ハヤテ! 風の剣騎士の鎧を取り上げるぞ!」
「卑怯者!? それでも師匠か!?」
「やっと師匠と認めたな! ニヤッ。」
風の剣騎士のハヤテは、風の谷のエルフ師匠の元にやって来た。
「返すよ。風の剣騎士の鎧。」
「なに?」
「私は甦った邪悪なる者、伝説の剣騎士デカノーホウトを倒すために強くならないといけない。だから、風の剣騎士の鎧よりも強い剣騎士の鎧が必要なんだ。」
「そうか、やはり、邪悪なる者は甦っておったのか。」
「それは困りましたね。」
エルフの元でお茶を飲んでいる風人が一人いました。
「友達か?」
「初めまして。ジンと申します。」
「つまらない師匠ですが、仲良くしてやってください。」
「誰がつまらない師匠だ!?」
「分かりました。」
「ジーン!? おまえも分かった言うな!?」
「つい。」
風の精霊エルフは、誰からも愛されている、いじられキャラでありました。
「ということで、風の神アネモイの一人、北風ボレアース様の所に行って来るわ、北風の剣騎士の鎧をもらってくるぜ!」
「いってらっしゃい。」
「またね。」
ハヤテは、エルフ師匠の元を去って行った。
「あいつはバカですな。」
「そうです。困ったものなんです。」
「まず、目上の師匠に対する口の利き方がなっていない。」
「申し訳ありません。風の剣騎士の鎧を与える前に、もっと厳しい修行をさせて、根本的に性格を変えるべきでした。」
「まあ、ボレアースにコテンパンにやられるでしょうね。」
「少しは反省してくれるといいのですが。」
エルフ師匠と友達のジンは、ハヤテのことを心配するのでした。
「ギャアアアー!」
ハヤテが強風に吹き飛ばされる。
「北風の剣騎士の鎧が欲しい? たかが風の剣騎士が風神の剣騎士の鎧を欲しがるというのか?」
「そうだ! 私は邪悪が世界を覆う前に、邪悪なる者となった伝説の剣騎士デカノーホウトを倒さなければいけない! だから強い剣騎士の鎧が必要なんだ!」
「おまえなど、邪悪なる者と戦う資格すらない。北からの冷風に吹き飛ぶがいい! ノース・ウインド!」
「うわあああー!?」
ハヤテは北風の神ボレアースの必殺技によって、遥か彼方に吹き飛ばされてしまう。
「あんな、ひよっこが風の剣騎士だったとは。」
北風の剣騎士ボレアースは、ハヤテが吹き飛ばされた空を見つめている。
「ウギャアアア!?」
空からハヤテが落ちてきて、地面に打ち付けられる。
「おかえり。」
「早かったな。」
そんなハヤテをエルフ師匠とジンがお茶を飲みながら出迎える。
「クソッ!? 諦めるものか!? 北風がダメなら、南風、東風、西風があるさ!」
「根性だけはあるな。」
「いいや、諦めが悪いだけだ。」
「私は絶対に強くなってやるんだ!」
風の剣騎士ハヤテの戦いは、まだまだ続く。
つづく。




