炎の魔人
「久しぶりです。師匠。」
「おお!? おまえはカエン!? カエンか!?」
炎の剣騎士カエンは強くなるために、師匠を尋ねていた。師匠は、ただのおじいさんだった。
「ほお~、偉くなったもんだな。姫の剣騎士になったとは聞いていたが、鼻水を垂らしていた頃と違って、立派なものだ。」
「やめて下さい。子供の頃の話は。やめないと焼き殺しますよ。」
「やれるものなら、やってみるがいい。炎の魔人の私に、おまえごときの炎が効けばの話だがな。」
「それではお言葉に甘えて。クソ師匠! おまえを燃焼させてやる! 必殺! ファイア・フレイム!」
カエンは、今までの恨みを晴らすように、本気で師匠を焼き殺そうと必殺技を放つ。
「マジか!? いでよ! 私のソード・ナイト・アーマー!」
師匠が炎の剣騎士の鎧を身にまとっていく。その姿は、まさに炎の魔人であった。
「こ、これは!? カエンの炎が以前より激しくなっている!?」
少し驚いたものの師匠は、カエンの放った炎を簡単に吸収してしまう。
「バカ者! 本気で殺す気か!? その前に、辺り一面が火事になってしまうわ。」
「すいません。イフリート師匠。」
カエンの師匠は、炎の魔人イフリートであった。
「まあ、いい。少しは腕を上げたようだな。挑んでみるか? 炎の山の獣に。」
「いいんですか!? ならフェニックスに!」
「ダメだ! まずはサラマンダーからだ。」
「いいじゃないですか? フェニックスで。」
「ここでフェニックスに行ってしまったら、その後、おまえがパワーアップする可能性がなくなってしまうだろうが。」
「そう言われれば、そうですね。サラマンダーにしときます。」
「そういうことだ。無事にサラマンダーから、剣騎士の鎧を得ることができれば、おまえはもっと強くなれるだろう。」
「はい。師匠。がんばります。」
かつて、カエンは剣騎士になるためにイフリートの元で修行をしていた。そしてイフリートに認められて、炎の剣騎士の鎧を授かることができた。そして、今以上に強くなるために、今度はサラマンダーと修行をするというのだ。
「炎の獣が巣くう山か。昔は恐ろしくて、この山に入ろうと思わなかった。だが、邪悪なる者、伝説の剣騎士デカノーホウトが甦った以上、私は強くならなければいけない。絶対にサラマンダーの剣騎士の鎧を手に入れるんだ。」
カエンは決意と共に火の山を登っていく。
「いいか、カエンよ。例え、炎と炎でも、自分の炎が相手の炎よりも強ければ、相手を焼くことができる。また、相手の炎が弱ければ、自分に吸収することもできる。肝に銘じておけ。もしサラマンダーに敵わないと思ったら、潔く引き返してこい。死ぬなよ、カエン。」
「師匠。私は良い師匠に巡り合えた。」
カエンは、師匠に言われた言葉を思い出し、胸が熱くなる。
「んん? 誰だ? 誰かいるのか?」
その時、カエンは炎の山で人に出会った。
「こんな所に人間が? まさか!? 俺と同じく、人間ごときが不老不死のフェニックスの剣騎士の鎧を手に入れようとやって来た訳でないだろうな?」
「なんだと!? フェニックスの剣騎士の鎧だと!?」
カエンは、謎の男と遭遇してしまった。
つづく。




