感知
「待ってろ! 姫! 俺が必ず助けてみせる!」
救世主様は、悪夢に支配された姫の救出に向かう。
「なんだ? やけに風が強くなってきたな。まるで嵐がやってくるみたいだ!?」
「ウインド・ストーム!」
「うわあ!?」
救世主様は、突風に吹き飛ばされる。
「これぐらいの風で吹き飛ばされるとは、救世主様とは名ばかりですね。」
「いたたたたっ。不意打ちしておいて、よく言うな! おまえは何者だ!?」
「私は風の剣騎士ハヤテ。姫を護衛する剣騎士だ。」
現れたのは、風の剣騎士のハヤテ。
「姫を守るのが仕事なら、俺じゃなくて、姫を操っている悪夢の剣騎士と戦えばいいだろう!」
「大切な姫を人質に取られているんだ! 堂々と反抗したら、姫の命が危ないかもしれないだろう!」
「なんだよ。結局、カエンも、ウスイも、ヒムロも姫が何者かに操られていると知っているのか。」
「そうだ。だから我々は救世主様に姫の救出を託して死んでいくのだ。」
「なんて愚かな考え方だ。」
「何とでも言え! 私は救世主様が自分の思いを託せる相手なのか、また姫を助け出してくれる相手なのかを見極めるだけよ。」
「なら、もう一度、俺にウインド・ストームを撃ってこい。」
「なに?」
「一度見た、おまえの突風は、もう俺には効かない。」
「おもしろい。救世主様の実力がどれほどのものか、見せてもらおうか! ウインド・ストーム!」
「ハヤテ! おまえに教えてやる! この世界では、剣が全て、剣が最強! おまえの風は、俺の剣技には敵わないのだ! ソード・ウインド!」
「なに!? 私の風がかき消されただと!?」
ハヤテの突風を救世主様は剣圧で吹き飛ばす。
「どうだ? これで俺の実力が分かっただろう。俺は必ず姫を助ける。だからハヤテ、一緒に姫を助けに行こう。」
「それはできません。」
「なんだと!? ハヤテ、おまえもウスイやヒムロの様に、あくまで戦うことを選ぶというのか!?」
「違います。風向きが変わりました。招かざる客が来たようです。」
「え?」
「フッフッフ。よくぞ気づいた。風の剣騎士よ。」
「嫌な風ですね。何者です? あなたは?」
「俺は闇の剣騎士クライ。悪夢の剣騎士が早く姫を連れてこないから、あのお方が直々に姫をもらいにやって来られた。」
「あのお方!?」
「俺は邪魔になりそうな剣騎士を葬るためにやって来たのだ。」
闇の剣騎士クライの目的は、剣騎士の抹殺だった。
「救世主様は、先に姫の元へ。こいつの相手は私がします。」
「おっと、誰一人として、あのお方の元へは行かせないぜ。」
「それはどうかな? 風よ吹け! そして全てを吹き飛ばせ! ウインド・ソード・スラッシュ!」
「そんな風、闇の中を吹く強風に比べれば、無風も同じよ! ダーク・ソード・スラッシュ!」
互いの必殺技がぶつかり合う。
「早く! 行って下さい!」
「そんな!? おまえを置いていくなんて!? そうだ! 二人で戦えば、闇の剣騎士ぐらい倒せるはずだ!?」
「私を無駄死にする気か!」
「ハヤテ!?」
「救世主様! 姫を頼みましたよ!」
風の剣騎士ハヤテの決意が救世主様に伝わる。
「分かった。必ず姫は助ける。死ぬなよ。ハヤテ。」
「ありがとう。救世主様。」
救世主様は先を急ぐのだった。
つづく。




