忠義
「カエン、無事でいてくれ。必ず俺が姫を助けてみせる。」
救世主様は炎の剣騎士との約束を果たすために、姫の元を目指す。
「ん? なんだ? 雨か?」
救世主様は空を見上げる。しかし外は晴れていた。
「まさか!?」
「見つけましたよ。救世主様。私は水の剣騎士ウスイ。」
「おまえが俺を追ってきたということは、カエンは!?」
「残念ですが、炎の剣騎士は捕らえられました。」
「なんだって!?」
現れた刺客。水の剣騎士ウスイからカエンが捕らえられたと聞く救世主様。
「今度は、救世主様の番です。原子の全てまで溶けてしまうがいい! アシッドレイン!」
「そうはいくか! この世界は剣が全て! 剣が最強! 剣技! ソード・ウインド!」
「なに!? 私の酸性雨を弾き飛ばしたというのか!?」
水の剣騎士の酸性雨を、剣圧で吹き飛ばす救世主様。
「剣の前に魔法は効かない。正々堂々と剣で勝負しろ!」
「いいでしょう。私の水の剣で殺してあげましょう。」
救世主様と水の剣騎士ウスイとの剣同士の戦いが始まる。
「強い!? こいつ強いぞ!?」
「救世主様だからといって、油断していると足元をすくわれますよ。」
「聞いてくれ! 俺たちは戦う必要はないんだ! 全て悪夢の剣騎士が仕組んだことなんだ! 姫はクロムに操られているんだ!」
「そうかもしれませんね。」
「え?」
「例え姫が何者かに操られていようとも、私は姫の剣騎士。姫の命令に従うまでです。」
水の剣騎士ウスイも、姫の様子がおかしいということには気づいていた。
「なんだって!? 姫が操られていると分かっているのに、戦うことを辞めないのか!?」
「はい。それが姫に忠誠を誓った、私の姫に対する忠義。例えこの命が滅びても、姫が救世主様を殺せというなら、それに従うが水の剣騎士としての私の使命だ!」
「この分からずや! 姫を大切に思うなら、姫を操っている奴を倒して、姫を救うことが、本当の姫の剣騎士がするべきことだろうが!」
救世主様の怒りが爆発する。
「それは救世主様を倒した後で、姫をお救いする! くらえ! ウォーター・ソード・スラッシュ!」
「おまえの腐りきったドブ川の精神をきれいに透き通った純水に戻してやる! ドリーム・ソード・スラッシュ!」
互いの剣の必殺技が炸裂する。
「グワアッ!?」
水の剣騎士ウスイが地面に倒れ込む。救世主様の勝ちだ。
「ウスイ!? おまえ、本気で必殺技を放たなかったな!?」
「姫を、ミキ姫を助けてくれ・・・。救世主様・・・バタ。」
「バカ野郎ー!? ウスイ、おまえって奴は。」
ウスイは姫のことを救世主様に託して気を失った。
「任せろ! クロムをぶっ飛ばして、姫を必ず救ってみせる!」
救世主様の姫を悪夢から救い出す戦いは、まだまだ続く。
つづく。




