ある日の夜
「ご飯にする? お風呂にする? それとも、わ・た・し?」
夢でも見ているのだろうか? 俺の部屋に、ダメ神がいた。しかも裸で。
閉めた部屋の扉を開ける。ベッドに視線をやると、夢ではないことを確認した。
「もう~恥ずかしがっちゃって~。いいんだよ~」
「何やってるんだ?」
「何って、夜這いだよ。言わせないでよ、恥ずかしい」
「聞いてるこっちが恥ずかしい。で、何のようなんだ?」
「言わなきゃダメ?」
「さっさと服着て本題に入れ」
「つまんな~い。ん~と、ぶっちゃけるとね。アド君の命はあと5年なんだ」
「それで?」
「あんまり驚かないんだね。もう気づいてるってことなのかな?」
「呪いだろ?」
「そういうこと。呪いなんだから、メリットだけのはずないよね? デメリットもある。
若返りのデメリット若返った分だけ寿命を縮める。アド君の場合は、20年分くらいだね。
不老のデメリットも寿命を縮めるんだけど、呪いに掛かっている間は1日が4日分の寿命を縮めると言った方がわかりやすいかな? そんなわけで5年生きると、合わせて40年分の寿命を縮めることになる。5年後には85歳っていうこと」
「冒険者がいくつで死ぬと思ってるんだ? 5年も生きられるというわけだろ?」
「一応、選択肢をあげる。今、呪いを解けば65歳くらいの容姿になってしまうけど、20年は生きられる。どうする?」
「わかっていて聞いてるんだろうが、決まってる。まだ夢は叶えていないんだ。夢を叶えるまでは、呪いを解くことはない」
「うん。そういうと思ってた。じゃあ夢を叶えたら、解くのかな?」
女神様からの問いかけに、考えてみるが答えは変わらないだろう。
「解かないな」
「そか。じゃあ後5年、好きなように生きなよ。私は君を応援している」
「そうさせてもらう」
「あ、言い忘れてたけど、不老のデメリットはまだあるの。鬼にならない理由でもあるんだけど、簡単に説明すると不老=成長しないってことね。アド君はそれ以上強くなることはないから、注意してね」
「わかった。鬼にならないだけましだと思うことにする」
「そうだね。鬼の力とアド君の奴隷たちをうまく使えば、それほど苦戦するような相手はいないと思うから。この世界を救ってくれることを、期待してるよ」
「あまり期待せずに待っててくれ」
世界を救う気は、それほどないけどな。




