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義理チョコとギリチョコとちょこっとおかしな彼女

作者: ずっと青春

今日はバレンタインデー

学校に行くと昼休みや放課後に数人の女子からチョコをもらった。

ただし、明らかにコンビニで買ったものや、

家で食べられず余っていたものばかり。

いわゆる義理チョコってやつだ

酷いやつは裏面を見ると賞味期限もギリギリだった。


『これが本当の義理チョコってか やかましいわ!』

思わず一人ノリツッコミしてしまった。


しかし、今日はこれで終わりではない。

こんなちょこざいなチョコとは比べ物にならない本命チョコを僕の彼女がくれるはずなのだ。


昨日彼女の友達の藍ちゃんが言ってた。

僕の彼女がめちゃめちゃはりきってると


その友達の舞子ちゃんがそれはサプライズだから言っちゃダメだよ。と言ってたがバレバレだ。

バレバレバレンタインだ。


そんなことを考えている間に彼女がやってきた。

しかし、なにやら暗い顔をしている

一体どうしたんだろう?

『暗そうな顔してどうしたの?』

『ご、ごめんなさい』

いきなり謝罪された

『あのね、チョコ作ろうとしたんだけど、ちょこっと失敗しちゃって間に合わなかったの』

そうだった。僕の彼女はおっちょこちょいさんだった。残念だが仕方ない。

作ろうとしてくれた気持ちだけで十分だ

僕はそう思っていたのだが

『必ず間に合わせるから待ってて!』


彼女はまだあきらめていなかったようで、急いで家に帰っていった。


きっとこれから作り直す気なのだろう。


僕は待った。学校にいられる時間はずっと学校で待った

先生に追い出されて家に帰ってからも待った

とにかく待った


そして23時55分

もうさすがに来ないだろうし、明かりを消してベッドに入ろうとしたところ…


カンッ!


部屋の外で妙な物音がした。


カーテンを開けて辺りを見ると、ベランダに矢文ならぬ、矢チョコが突き刺さっていた。


そういえば彼女は弓道部だったな。

きっと直接届けられないから矢を射たんだろう。

どこから射たんだとか細かいことは気にしたら負けだ。

僕の彼女はちょこっと変だからこれぐらいやってのける


僕は矢からチョコの入った袋を取り外し、包装紙を取ると、

中からハート型のチョコレートが現れた。


心なしか矢の衝撃で真ん中にヒビが入ってるが、見なかったことにしよう。

これさえなければ彫刻刀で掘ったかのような素晴らしいチョコだったけど、見なかったことにしよう。


大事なのは味と気持ちだ。


もうバレンタイン終了まで時間がない。


僕は急いでチョコを頬張った。


彼女の作ったチョコは洋菓子店の超高級チョコレートにも引けを取らない素晴らしい味がした。


僕は急いで紙に感想を書き、矢に括りつけて、空へ放つ!


すると矢は空中で人影にキャッチされた。


その数秒後


バーン!


空に花火が打ち上がった。


どうやら彼女は満足してくれたようだ。


しかし冷静に考えると僕の彼女って


超怖い


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