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名前を書いていても食われる時は食われる–無情–

作者: 一行

事前に買っておいた食べ物が勝手に兄弟に食べられている。まあそんなことはよくあるだろうけど、うちの場合は度を超していると思う。兄は、そこに食べ物があれば我慢できない人間だった。買っておいた物が食べられるのは当然として、朝昼晩のご飯の時も同じ量を出されているのにも関わらず、こっちの皿にまで手を延ばしてくるようになった。もちろん最初のうちは怒っていたが、何を言っても聞き入れないから諦めた。


言いたいことは山ほどあったけれど、もはや怒りすらも湧かなくなっていった。


そして、食べ続けた結果。兄は太りに太っていたけれど、社交性が高く、温厚篤実としたその様子は、あたかも微笑みを浮かべる仏のようだと親しまれた。あまり納得できないが、男女ともにそれなりに人気があるようだった。


対して自分は、食べる量が減った結果。痩せに痩せていたけれど、敏捷性が高く、電光石火の如きその様子は、あたかも野山を駆ける断食中の修行僧のようだと親しまれた。男女ともにたいして人気はなかったが、陸上部からは重宝された。









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