お日様みたい
ある晴れた昼下がり。
二人の子供が駆けていた。
歳は4、5才といったところだろうか。
一人は若葉色の髪にクリクリとした深緑色の大きな瞳。可愛い女の子みたいな顔立ちだが、歴とした男の子。
もう一人は朱色のような赤毛に真っ黒い瞳の男の子。くるくるとした赤毛がピョンピョンと踊っている。
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「カルぅ~。まっ――でぇッ!」
先を走るカルを追いかけて、小さな石に躓いた僕は転んだ。
右の膝と手のひらがズキズキして痛い。
気が付いたら僕は大声を上げて泣いていた。
「ユン、痛いの痛いの飛んで行けー!ほら、もう痛くないよ。」
いつの間にか目の前にいたカルが、おまじないをかけてくれる。
僕が怪我すると、いつもやってくれるんだ。そうすると痛いのがスーって消えちゃう。
カルはスゴイな。
「大丈夫?」
「うん!」
僕が笑うと、カルも笑った。
カルの笑顔はお日様みたいに暖っかい。
それを見てると、僕の心もポカポカするんだ。
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「……でねでね、痛いのがスーーーって消えちゃうんだよ!」
「そう、すごいわね。」
お母さんは僕の話をニコニコしながら聞いてくれる。
お母さんは“ひーらー”っていって、怪我を治す人なんだ。だから僕の怪我も治っちゃった。
お母さんはスゴイんだ。
どんな病気でもすぐ治しちゃう!
僕の自慢のお母さんなんだ。