part1
僕はとある携帯サイト(別に出会い系とかではない)で、ある女性と出会った。
友達希望をすると、すぐにOKのメールが来た。
その女性は28歳だった。
趣味がよく合ったため、すぐに仲良くなった。
その人は出身が僕とまったく同じで、話がとても盛り上がった。
時には、徹夜をしてまで話し合ってしまうこともあった。
時は過ぎ、季節は冬になった。
12月24日……そう、クリスマスイブだ。
僕は思い切って町一番のクリスマスツリーがある公園に彼女を呼んだ。
断られるかと内心ドキドキしていたが、彼女は快くOKしてくれた。
「信用……してくれてるんだな」
そう思うと、なにやらこそばゆいような、救われるような、そんな気がした。
高まる気持ちを押さえ、親に友達の家に行くと嘘をついて(僕の家は、基本的にあまり外出を好まないのだ)家を出た。
なけなしのお金をこれでもかとはたき、大きなクマのぬいぐるみを買った。
ニヤニヤした笑みを浮かべている店員(僕の友達だ)に、
「何?彼女にでもあげんの?」
とか言われたが、それも今は嬉しかった。
結局、はやる気持ちを抑えられずに、
約束の時間よりかなり早くに集合場所であるクリスマスツリーの前に来てしまった。
暇な事には暇だったが、それよりも来てくれるかな、というハラハラするような気持ちのほうが上回っていたため、そこまで暇だ、という気持ちにはならなかった。
彼女はメールで上下ピンクでそろえてくる、と言っていた。
これなら、クリスマスイブの人々のあふれかえる町でも、すぐに見つかるだろう。
ちなみに、僕の服は赤のパーカーにジーンズという、
あまりいいのか分からない服だ。
これに関しては作者のおしゃれに対する意識が貧困なのだ。許してやってほしい。
ん?僕はいったい何を言っているんだろう。
どうやら気が動転していたようだ。
そんなことを考えていると、町中のネオンライトで照らされて、
神々しく輝く光の当たる道から、
上下ピンクの、待ち人が、来た。
彼女は少しの恥ずかしさでうつ向き気味の僕のほうを見かけると、
タッタッと小気味いい走り方で僕のほうに走ってきてくれた。
彼女は少し息を荒げながら、顔を上げた。
来てくれたことにもビックリした。
が、
待ち人の顔を見て、さらに驚いた。
母親だ。
母は小卒で32だ。
主人公の服のあたりは作者が勝手に付け足したものです。
奴の服のセンスはいいとして、ぼくはダメダメなので、
ご了承ください(汗)