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【5】
「アイスカフェオレ2つだね。ちょっと待ってて」
注文を受け付けたデーマさんがどこかウキウキした様子で厨房へと歩いていく。
「店長さん、ここ最近機嫌がいいわね」
「これだけ人がいるからね。まぁ、忙しそうでもあるけど」
喫茶店には僕とりらり以外の人がいた。満席ではないにしろ、今までの客数を考えれば、デーマさんが喜ぶのも当たり前の光景であった。
「ところで実くん、新曲が収録されたらしいわよ?」
「あぁ、あれか……」
「あら、嫌なの?」
「嫌じゃないさ。むしろ嬉しいけど……気恥ずかしくもあるんだよ」
「でも面白いと思うわよ? 自分たちの曲で遊ぶのって。ということで、今日はゲームセンターで遊びましょう」
そう言って、りらりは微笑んだ。
日常の会話だった。