中立箱族は今日も空を泳ぐ
目線「りーちゃん」
箱族が空を泳いでる。
ママ、今日はたくさんお荷物がとどくね。
私達が住んでいるのは、切り離された大陸の上。
私達は人間で。
魔王さまの人質なの。
魔王様は世界を滅ぼそうとしている悪い奴で。
人間である私達の底力を警戒してるみたい。
だから強い人達のみうちとか、しんるいとかを人質にとってるんだって。
だから私達は、切り離された大陸の上から出る事ができない。
でも、箱族が荷物を届けてくれるのよ。
お隣のまーくんは、こきょうの王様のパパから、たくさん贈り物をもらったんだって。
いいなあ。
私も勇者のパパから、お荷物届かないかな。
目線「まーくん」
箱族は中立的な種族なんだ。
どっちつかずって言われる事もあるけど、仕方のない事だと思う。
誰だって、自分の種族を滅ぼしたくはないだろ?
王様である、父上だって、時には他の国より自国を優先せざるをえないんだから。
箱族の人たちもきっと辛いはずだよ。
他者を切り捨てる必要のある立場ってのは、苦労がつきものだからね。
おっと、荷物だ。
父上ってば、またお勉強セットかあ。
人質なんていつ死ぬかわからないし、父上たちの荷物になるくらいなら、覚悟を決めてるのに、どんな国のてっぺんでもやっぱり家族にはやっぱり甘いんだよね。
目線「箱族のお姉さん」
私達は箱族。
生き延びるために、中立の立場をつらぬいてるわ。
だって私達、体が箱でできていて、ライフは3くらいしかないもの。
強い人達に逆らってはいきていけないの。
他の種族には悪いけれど。
世の中、正義が勝つ仕組みだったらいいのにね。
こんこん、りーちゃん、お荷物ですよー。
はぁ、こんなに小さい女の子が人質だなんて胸が痛むわ。