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導き

「なんだったんだろうね、あいつら」



 大通りのど真ん中を並んで歩きながら、サクラは怪訝そうな顔をしていた。視線は周囲の建物や道行く人々に向けられてはいるが、どこか上の空だ。


 風呂敷を大事そうに両手で抱えるタオもまた、真剣な表情で思案しながら歩いている。



「一人があらかじめあの店にいたのも妙だよね。何か目的があって色んなところに人を配置してるとしたら、かなり大きな組織だよ」


「ってことは、私たちを尾けてたあいつはともかく、元々は別の目的があるってことかな」


「……サクラ。何考えてるか、当ててあげようか」



 いたずらっぽく笑うタオは、しかしどこか緊張しているようにも見えた。サクラもまた、同じような表情で答える。



「言ってみなよ」


「キリエが言ってた、悪しき者たち……どう?」


「正解。でも、だとしたらできすぎじゃない? あの忠告のすぐ後に実際に襲われるなんてさ」


「相手は『神造聖人』、多少の不思議や不条理は受け入れなきゃじゃない?」


「そういうもんかなあ……あ、それならさ。もう一回襲われそうじゃない?」



 サクラが突然立ち止まる。迷惑そうな顔で脇をすり抜けていく人々を尻目に、タオもその隣に立った。



「また変なこと言ってる。どういうこと?」


「だってさ、襲われたはいいけど私たち何にも分かってないじゃん。せいぜいあの薔薇の……刻印、だっけ? あれのことくらいでしょ、何となくでも理解してるの」


「それはまあ、そうだけど。で、だから組織の誰かが襲ってくるって?」



 サクラがしたり顔で笑う。



「そういうこと。さっきのより強い奴がさ」


「まあ、あいつより地位が高い人なら知ってることは多いだろうけど……そんな都合よくいかないでしょ。だいたい、敵対してる私たちに教えてくれるわけないじゃん」


「それなんだけどさ。私考えたんだけど……ひょっとしてその悪しき者と私たちって、まだ敵対してないんじゃない?」


「…………それ、は」



 否定しようとして、タオは言い淀んだ。そもそもさっき戦闘になったのは、尾行に気付いたサクラが殺す気でケンカを売ったのがきっかけだった。


 タオが気付いたのと、ほぼ同時。二人の背後から、若い女の声がした。



「ご名答! 少しお話しませんか、お二人さん」



 二人が弾かれたように振り返ると、そこには灰色のローブで全身を覆い隠した背の高い女が立っていた。

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