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神造聖人の聖域

 四人は森の中を進む。ミヨを先頭に、セルード、サクラ、タオと続く。セルードの周囲には『神造水晶』が三つ、その尖った部分を彼の首に向けた状態で浮遊している。セルードの顔には恐怖よりも、諦観の色が強く出ていた。



「おっかないな、脅しにしては殺意が強すぎるんじゃないか?」


「これでも抑えている方ですよ、何やら事情がありそうなのは察していますから。それでも、あなたが墓荒らしであることに変わりはありません」


「……言い訳はしないが。あんたが俺の罪を、量ろうというのか」


「私にその資格があるかは、現時点では何とも言えません。ですが少なくとも、あなたはそう望んでいるように見えます。できる範囲でお応えしますよ」


「……」



 この会話を最後に、二人は口をつぐんでしまった。無言で歩を進める四人。小枝や落ち葉を踏みしめる音ばかりが響く重い空気に耐えかねたサクラが、元気一杯、叫ぶように言った。



「ねえ、ミヨ! 足取りに迷いがないけどさ、どこに向かってるの?」


「最奥です、この聖域の」


「聖域?」



 オウム返ししたサクラの隣で、タオが口を開く。



「聖域っていうのは確か、神や『神造聖人』が創るといわれる異空間のことだよ。そこに入るには鍵が必要っていう」


「鍵……? あ、もしかして」


「ええ、私がいたあの洞窟も聖域の一つです。あそこは私を造った神が構築した聖域でしたが、おそらくここは『神造聖人』による聖域。入る条件は、鍵を持っていることと、この島の本来の地形を知っていること、の二点でしょう」



 サクラとタオが揃って目を丸くした。



「すごい、そんなことまで分かるんだ」


「事前情報が皆無なので想像の域を出ませんが……ただ、聖域の雰囲気に覚えがありまして」


「やっぱり、誰が創るかによって違うものなの?」



 タオの問いに、ミヨは小さく頷いた。



「感覚的なものなので、言葉で説明するのは難しいのですが。そして今回に関しては、それとは別に……なにか、意思のようなものすら感じます」


「意思? 聖域に?」


「はい。このようなケースは稀ですが……覚えがあります。皆さんに馴染みある言葉に言い換えるなら、確か……」


「ダイイングメッセージ、かな」



 ミヨの言葉を継いだのは、年若い、声変わり前の少年のような澄んだ声だった。

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