神の力
専刃と名付けられた自身の本能、そしてその状態にあるときに瞳が黄金に変色すること。サクラはそれらをかいつまんで説明した。
二人とも興味深そうに聞いていたが、タオは驚きが、サンクトは納得が勝ったようだった。
「やっぱりただものじゃないねえ、サクラは。あの時めちゃくちゃ足が速かったのはそういうわけか……」
「人間が神の力を行使するには多大な負担がかかります。あなたは使いどころを限定することで、そのリスクを軽減していたのですね」
「自覚はないし、意識的に使うこともできないから、偉そうなことは言えないんだけどね」
「あ、でも、勘が利くときは目の色変わってなかったよね? あれは神の力とは関係ないのかな?」
「勘、ですか」
サンクトの疑問に、サクラは包み隠さず答えた。もともと勘がいいこと、神を探すことに関しては殊更に効果が増すことを。
すると、サンクトは神妙な面持ちに変わった。
「どした? 怖い顔して」
「……サクラ。それは、啓示の可能性があります」
「刑事?」
「啓示だよ。古い言葉で……まあ、ざっくり言うと神様からのお告げみたいな感じ」
タオの言葉に、サンクトは頷いた。
「あなたに限っては、より正確には、啓示の亜種といったところでしょうか。あなたの中に神の意志がそのものがあるわけではありませんから」
「つまり、サクラの中にある神の力が、サクラを神様のいる方に導こうとしてるってこと?」
「前例がありませんので、あくまで推測ですが」
「ふーん……でもそれで、なんでサンクトが怖い顔すんの? 私の勘に根拠があるってんなら、別に悪いことじゃなくない?」
サンクトは少し躊躇ってから、サクラの目を真っすぐに見つめて口を開いた。
「サクラは、運命を信じますか?」




