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サクラ & タオ VS サンクト-3

「タオめ、いい仕事すんじゃん!」



 サクラは、笑みを浮かべる余裕を取り戻していた。タオの援護による水晶の硬直、それは瞬きほどの間であり、しかも一息に七つすべてを止めることはできない。それでも、先ほどまでの状況と比べれば対処の難易度は雲泥の差だった。


 明らかな状況の変化に、けれどサンクトは新たな動きを見せはしなかった。ここに来てもなお自分が動くまでもないという判断なのか、あるいは何か動けない事情があるのか。サクラには、それを推し量るだけの材料はなかった。


 それ故に、方針は明確だった。タオの援護は的確で最大限の仕事をしているが、それは裏を返せば今以上の効果は見込めないということでもある。状況を打開するには、サクラが打って出るよりほかにはない。



「タオ!」



 サクラが声を上げる。視線を合わせることも、具体的な指示を飛ばすこともない。それでも、サクラの意思は狙撃手に十分に伝わった。


 タオの援護射撃、そのリズムが少し変化した。サクラに余裕を与えるために六発立て続けに打ち込まれていた弾丸が、一発ずつ、一秒以上の間を開けて放たれる。



「……!」



 二度目の銃声で、サンクトは二人の作戦に気付いた。だが、サクラはすでに動き出している。この援護射撃は、サクラに避ける余裕を与えるためのものではない。サクラが進む道を切り開くための道標だ。


 力強く地面を蹴ったサクラが、水晶の包囲をかいくぐり弾丸のようにサンクトに迫る。両者の距離はすでに五メートルを切った。背後から水晶を差し向けても、サクラがサンクトの首を刎ねるほうが早い。


 だが、サンクトは表情一つ変えなかった。



「それで、出し抜いたつもりですか」


「……!?」



 それはいつもの勘か、あるいは別の本能か。サクラは背後に視線をやるまでもなく、七つの水晶が標的をタオに切り替えて加速したのを理解した。

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