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サクラ & タオ VS サンクト-2

 タオはひとつ、大きく息を吐く。訓練こそ欠かさなかったものの、戦うために銃を抜いたのは何年振りか。幸い、腕も感覚もなまってはいないようだった。


 とはいえ、安堵している暇はない。今の一射でサンクトの認識は変わったはずだ。タオもまた、排除の対象に加わったことだろう。望むところだ。


 しかし、戦況はすぐには変化しなかった。七つの水晶は相変わらずサクラの周囲を飛び回り、間断なく攻撃を仕掛けている。サクラは最小限の動きでそれらを避け、いなし、受け止めているが、崩されるのも時間の問題だろう。



(あくまで先にサクラを倒してから、私は後回しでも大丈夫ってことね。まあ実際、私はサクラみたいな立ち回りができるわけないし妥当な判断か……いや、待てよ)



 飛び回る水晶たちを目で追いながら、タオは冷静に思案する。


 敵が前後衛に分かれていて、かつ各個撃破を狙うとき、どちらを先に仕留めるべきかは状況に応じて変化する。後衛を無視してでも前衛を先に叩くという選択が有効なのは、後衛の支援が脅威でないとき。あるいは。



(後衛を狙った隙を、前衛に突かれるのを嫌うとき。でも、あの水晶はそれぞれが独立して動いてるから、サクラと私を同時に攻撃することは可能なはず……つまり、七つ総動員でようやくサクラと互角ってこと。それなら……!)



 目にもとまらぬ連射で、シリンダーに残った五発の弾丸が立て続けに吐き出された。弾丸は全て異なる水晶に命中したが、いかにも脆そうな見た目をしているそれらを砕くどころか、傷ひとつ付けるには至らなかった。激突の衝撃でひしゃげた弾丸が地に落ちる。



「『神造水晶』、名前負けはしてないってことか……!」



 一つ舌打ちし、すぐさまリロードする。タオのリロードは特殊で、シリンダーを開くと虚空から六発の弾丸が一瞬で装填される。『福音継承者』の能力を応用したもので、リロードの最中も敵から一切注意と視線を逸らさずにいることができる。


 リロードを終え、構えなおす。破壊できないのは想定内、動揺はない。それよりも注目すべきは、弾丸を受けた水晶の動きが止まったことだ。一射目で吹き飛ばせたのは不意打ちだったからで、本来の効果はこの程度なのだろう。一秒にも満たない硬直だが、きっと意味はある。なぜなら、前衛がサクラだからだ。



「私は私の仕事を、だね。難しいことは任せるよ、サクラ……!」



 瞬く間の六連射は、寸分たがわず宙を舞う水晶に炸裂した。

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