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サクラ VS テサロ-2

 サクラは面食らいながらも身を捻り、テサロの一撃を紙一重で回避する。



「いきなりはズルなんじゃないの!?」


「尋常の決闘でもお望みでしたか? 文字通り姿を消して不意打ちしておきながら、傲慢な物言いですね!」



 テサロの攻撃は止まらない。振り上げられた剣を両手で握り直し、渾身の力で振り下ろす。力任せの戦い方だ。


 サクラは回避に徹しつつ、テサロの動きを、その剣筋を冷静に観察する。彼の戦いは力任せでありながら、あまりにも隙がない。大振りの攻撃を繰り返せば隙を晒すのは自明の理だが、彼にはそれがないのだ。なぜか。



(筋肉……いや、関節か!)



 気付いたサクラは舌を巻いた。テサロはその関節の柔らかさを活かして攻撃後の硬直を最小限にし、次の攻撃に繋げているのだ。その身体的特徴が先天的なものなのかどうかは知る由もないが、それは重要ではない。今気にするべきは。


 

「はあっ――!」



 裂帛の気合とともに大きく後退する。一気に開いた十メートル余りの距離を、テサロはすぐに詰めようとはしなかった。立ち止まり、冷静に構え直す。


 着地したサクラは舌打ちをした。



「つまんないの。焦って追ってきたら、バラバラにしてあげたってのに」


「言ったでしょう、狙いが素直過ぎると。で、距離を離して、私の剣にどう対応するつもりなのです?」


「対応? 随分調子に乗ってんね……次に受けに回るのは、あんたの方だってのにさ」


「何……?」



 怪訝そうな表情を浮かべるテサロに、サクラは上段の構えを取ることで応えて見せた。



「一撃で倒せば、駆け引きも何もないでしょ?」

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