第3策: 虐殺と決闘
「ふーん、なるほどなあ。それは何か怪しいし、怖いなあ。」
ベルトランが何処かのんきな顔で頷く。
「いや、まあそうなんだけど、もっとこう、緊張感とか、心配だとか無いのか、お前は。」
俺は脱力感と共に昨夜の怪しい二人の男の話しの説明を終える。
「でも、結局のところ、顔を見たとしても男たちの正体は分からないんだろう?」
「うん、まあそうだな。」
「何を話していたのかも、ほとんどわからないんだろう?」
「うん、まあ・・・・ そうだな。」
「お前の顔を見られたわけでも無いんだろう?」
「いや、知られていないと思う。」
「お前は何かするべき事とか、やらなければいけない事とか思いつくのか?」
「う・・・・ ん。まあ無いかな。」
「なら心配しても無駄だろう? 朝飯を食って、元気をつけて、頭の隅に入れておけばそれで良いと思うぜ、俺は!」
ベルトランの笑顔を見て、思った。俺の親友は全く役に立たんのか、俺の心の救いなのかよくわからない男だ。
でも、昨夜から続いていた焦燥感は薄らいでいた。
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「隊長、質問してもよろしいですか?」
軽騎馬兵の俺たちは本隊の数kmほど前を進み、敵部隊が居ないか、奇襲部隊が潜んでいないか探る役目だ。ようするに偵察部隊。
幸い天候も良く、見晴らしの良い「斥侯日和」の天候だ。まだグレンウッドの森まで数日間の行軍があるので、隊に大きな緊張感は無い。隊長から情報を引き出す絶好の機会だ。
「ん、なんだヒューゴ、言ってみろ。」
「俺たちの合流で本軍は3万だと言ってましたけど、それってランシア王国軍のほぼ全てなんですか?」
「いや、今回は二つの王国の大戦力が参加してないぞ。」
「2つ、ですか?」
「そうだ、一つは北の国境の守り神のノルド公フィリップ様だなあ。先代のジャン陛下の時代からランシア王国と帝国の国境を守り続けているお方だ。立派な方って噂に聞くけど、シグベール陛下と昔からぎくしゃくしてるって噂を聞くなあ。」
「へえー、なんでですか?」
「20年前の王位継承戦争の時にノルド公は『国家争乱の時に帝国に攻め込まれたら一大事』と言って、中立を守り、シグベール陛下が勝つまで一切動こうとしなかったんだよなあ。今回も全軍動員令も帝国不穏な動きがあるとか言い訳を並べて出陣を拒否したとか。」
「で、もう一つは?」
「南東のコルテ候様が出陣免除を申し出て、シグベール陛下がお許しになったとか。コルテ領は去年は大嵐と洪水で収穫がほとんど無い状態でとても出陣は無理だと伝えたら、シグベール陛下が快くお許しになったとか。」
「うわーーーー!うわあああああーーーーーー!」
俺、ベルトランと隊長の20~30m前にで丘の頂上に既に差し掛かった兵たち数人より悲鳴に近い嬌声が上がる。
「どうした!何事だ!」
隊長が馬を走らせて前に急ぐと俺とベルトランも急いで後に続く。
丘を登っていたので、前方の視界が極端に狭くなっていた。その分、丘の頂上につくと何km四方も見渡せる場所に出るのだが、目に入った物は雷に打たれる様な衝撃的なものだった。
隊長は
「ジーク、ラグナル、本陣へすぐに急げ!至急王陛下へ報告だ。エルフどもは既に打って出ている。多くの村が焼き討ちされ、被害甚大。至急主力軍の前進を急がれたし。以上だ、急げ!」
前方に広がる平原の集落十数村は全て炎上中か黒い煙がモクモクと上がっていた。
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「酷いな、これは」
神妙な顔のベルトランが馬上で回りを見渡す。
俺とベルトランは前方の村の現状把握の為に馬を走らせ、最寄りの集落に入った。隊長よりエルフと遭遇したら基本的に撤退する様にと言われていたが、集落に生きた人影は無かった。
点々の一般市民の遺体に矢が突き立てられて転がっていて、10歳ぐらいのスカートをはいた少女すらも放置されている。
氷水を浴びたような気分だった。この戦が出世の機会かも知れないとどこか浮かれていた自分に反吐が出る。
ベルトランは
「盗賊と同じなのか、エルフ兵は?」
「いや、これは単なる盗賊行為なんて生易しい物じゃない。ましてや、ただの腹いせや八つ当たりでも無い。組織的な『馬上襲撃(シェヴァ―シェ―)』だ・・・・」
俺は呟く。
「は? 何だって?」
シェヴァ―シェ―は中世ヨーロッパで頻繁に使われた戦略。
敵軍が近くに居ない時、馬上の兵士が郊外で散開し、略奪、殺戮と破壊工作を広範囲で行う事。領主や王政府がその地域を守れない事を印象付け、守れない主君に仕える意味が無いとして寝返りを促す現代の日本では考えられない戦略。
実際に見ると想像を遥かに超えた胸くその悪いモノだな。
民家は50軒はあり、それなりの規模の集落だが、一つ残らず焼き討ちにされていた。集落の間には射殺された人々の遺体が何十も散らばっていた。
一部の家畜は連れ去られたようだが、牛小屋等が放火され、焼き殺された家畜も多数ある。
略奪より徹底した破壊を目的とした組織的な動きではない限りここまでしない。
遺体にはハエがぶんぶんとすでに群がり始めている。
「これが・・・・戦争か。」
ベルトランはまだ集落を見渡していて、しばらくしてようやくに応えた。
「そうらしいな」
俺とベルトランは馬を村の集落の中心に進めていくとブーン、ブーンとハエの飛び交う密度が明らかに増えていき、死臭の強さも増していった。
「な、なんだこの匂いは。」
ベルトランが顔をしかめていると、中央広場に着いた時には俺達は冷水をぶっかけられた様な衝撃を感じた。ベルトランは顔が完全に青ざめた。
中央広場には大量の腕、脚、そして人の頭が切り落とされ、中央広場に投げ込まれた様に散らばっていて、多くの胴体が放置されていた。中には明らかな子供の遺体も弄ばれていた。
俺も怒り、吐き気、めまい、頭痛、焦燥感、一通りの激しい感情とショックによる身体的な症状を乗り切ると、1分ほど立ったらようやく俺の頭は再び働き始めた。
「お、王国軍の者か?」
不覚にも瓦礫の中で息を潜めている生存者の存在を見落としていた。一人の白髪の老人が瓦礫の中の地面から上に開く扉から顔を少し見せ、震えながら俺達を見上げていた。
気を取り直したベルトランが
「もう大丈夫ですよ、この村の人ですか?」
老人は扉を開き、ゆっくりと登ってくる。
「あ、ああ。偶然に地下のチーズ熟成室に降りていたら村が襲撃されたので、見つからなかった。」
俺は馬から降りて、革袋の水を渡すと老人は、ゴクゴクと飲み、地面に座り込んだら、両目から涙が溢れ、両頬を零れ落ち始めた。
「み、みんな。みんな、あの悪魔どもにやられてしまった。娘も、孫たちも。」
「何があったんですが、詳しく教えてもらえますか?」
「突然の事だった。いつも通りにばあさんの朝粥を食べて、牛舎で牛の世話を婿殿として、チーズの熟成室でチーズの完成具合を見に行ったら、突然。突然。・・・・突然にあのエルフどもが。」
老人が両手で目を覆う。
「信じられない速さで馬に乗ったエルフ兵が村の出入り口を封鎖したと思ったら、何人も馬上で畑に出ている大人を村に追い込む様に乗り回し、村人は閉じ込められた。儂は恐ろしくてここで足がすくんで動けなかったが、見ずにも居られず、すこし扉を開けて広場を見ていた。」
老人が力なく両手を落とし、座り込んだ。
「エルフどもが『太子殿下』と呼ぶ黄金の兜をつけた大男が広場に来たら、村人が一人一人地面へと押し付けられ、その大男の命令で全員が次々と槍で突かれて・・・・ 儂の6歳の孫まで・・・・」
老人はそれだけ語ると力尽きて地面に座り込んで黙ってしまった。
俺はどう慰めれば良いか言葉が見つからなかったが、ベルトランは老人の肩を抱き、
「ご老体、ありがとうございました。これ以上犠牲が増えない様に俺達もできる限りの事を!」
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老人を後方部隊に預け、再び探索に出たが、敵影はすでに無く、引き払った後の様だった。
2時間ほど後、日が真上に来る正午を集合時間と設定していた隊長と丘の頂上で各偵察組が集合して報告を始めた。
各組みは下馬してピンと背筋を伸ばして立ち、左手は横に、右手は背中の腰の真上で拳を握ってこの世界の敬礼を取って待つ。
「ジーン」
「サンアニャン村の村人の大半は死亡、生存者は四散したと思われますが、敵影は確認できず。エルフ軍が盗賊と化して襲ったと思われます。」
「ピエール」
「ジーン組同様、レ・メルザード村はほぼ全滅。農民の被害は極めて高い物と思われます。なお、エルフ部隊の位置は確認できませんでした。」
「ヒューゴ、お前らの探索したモンヌフ村も同様か?」
「敵影が発見できなかったと言うのは同じです。」
「よし、なら・・・」
「隊長、一つよろしいですか?」
「ん、何だヒューゴ、言ってみろ」
「敵影は発見できませんでしたが、敵は恐らく全員騎兵の組織化された襲撃隊。略奪目的より虐殺と破壊工作を主とし、数は最低でも500~1000。大半が弓兵。我々の主力軍の位置も把握していると思われます。なお、敵軍の大公太子も自ら前衛部隊に加わっている物と思われるので、相当な組織的戦力が打って出ていると思われます。」
「ほう。根拠は?」
「襲われた村々の数はこの丘から見渡せるだけでも14の集落。各村には少なくとも 20-30軒、多くは50軒ほどの民家があり、全域で500軒前後の民家があります。報告によれば、全ての村で住民の被害が確認されていて逃げ遅れた者がいます。つまり、少数の兵が一つ一つ村を襲った場合は後に回された村の住民は全員が逃げられる時間が十分にあったはずです。同時にこれだけの集落を同時に襲い、圧倒するには最低でも500,恐らく1000人程度の兵は必要ではないかと。」
「ふむ。」
「なお、村の住人はほとんどが射殺されていた事により襲撃の目的が略奪では恐らく無く、恐怖を煽り、民への被害を増やす目的意識が見られます。略奪目的の場合偶然逃げ遅れて切り殺された兵が居ても、既に逃亡する農民を後ろから射殺す必要性はありません。生存者の老人より敵には『太子殿下』と呼ばれていた男がおり、組織的な虐殺を命じていたとも聞きました。」
「公国軍が辺境の村を虐殺するなんの理由がある?」
「エルフ軍の力により地域の民を恐怖させる意図が見られます。少数の逃げられた村人よりその話は急速に地域で広がるでしょう。それを裏付ける様に、徹底した破壊工作と組織的な虐殺が行われていて、民家が全て例外無く焼かれているのは放火が偶然では無く、組織的に行われたものである証拠です。」
「他には何かあるのか?」
「ベルトランと俺で先も少々探索しましたが、近くに陣や補給荷駄車は発見できませんでした。この速度で移動しうるのは騎兵のみで構成された組織的な襲撃部隊であると思われます。」
「よし、あいわかった。閣下にはそのように報告してくる。数百以上の敵部隊が控えているなら我々だけで不用意に進むのも危険に思う。軽騎兵を増援して慎重に進む様に進言してこよう。よくやったぞ!」
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今日は特に暖かい日で、俺の目の前には青、白、黄の野花が多数咲き乱れる草原が前に広がっている。心地よい南風が顔をくすぶり、柔らかい母のぬくもりの様な日差しが心地よい。草原で寝転び、昼寝をするためには最高の気候だ。
でも、ここで昼寝をするような神経を俺は持ち合わせてはいない。なぜなら、今俺は馬上で丘から敵軍の陣地を見下ろしていて、俺の周りには大蛇の様にうねるギンギンとした殺意を放つ数万の人間が着々と到着している。
エルフ兵がグレンウッドの森から馬上襲撃より討って出た事が明らかになってから5日間、王国軍の主力部隊はようやく目的地に到着した。
グレンウッドの森は「森」と言う名前がついているので全部が森林地帯かと思うかもしれないが、実はそうでは無い。
ドワーフのグンターおじさんから聞いた話だけど、古代では平原で生活する人間と森林で生活するエルフは文化と生活体勢が完全に分離されていて、地域で問題無く共存していたそうだ。しかし、この地域で人間が森を切り開き、エルフの生活区域を数百年もかけて大幅に狭めていったのがエルフと人間の確執の原因となったと言う。
森林に住む伝統を守っていては人間に勝てないと考えた一部のエルフが生活形態を変えた「平地エルフ」。現在は普通にエルフと呼ばれる農耕に励むエルフとなり、人間と闘争を繰り返したが、多くのエルフは最終的に北の島国の「バルガン公国」へと去りたち、ランシア王国が「人間の王国」と定められたとか。
しかし、一部のエルフはランシア王国内の森林生活を放棄せず、森で生き続けて「森エルフ」として生活を続けている。
その主たる場所が北のノーウッドの森、そして現在俺たちの居る「グレンウッドの森」の二つの地域。
旧盟約より「エルフ森林地域」は条約で設定されていて、名目上はランシア王国の一部だが、森エルフの自治地域。立ち入る事すら禁止されているはずだが、グンターおじさんの話しではかなり昔から人間側の取り締まりが雑なのが森エルフと人間の間のいざこざのきっかけになるとか・・・
北からグレンウッドの森に接近した王国軍は森の境から1200トゥワーズ(およそ2400m)ほどの距離のある丘に陣を敷き、全軍の到着を待った。土塁と馬防柵が立てられ、弩兵の傭兵が警戒する間に宿営の陣が張られ、荷駄車が陣内の安全地帯に動かされていった。
王国軍はエルフ公国軍と草原を挟んで南北より対峙する形となった。
南のエルフ公国軍は森を背後に置き、西(左翼)にはエルフの中型集落であるクレシア町。町に入る道はバリケードが張られているし、恐らく屋根の上に弓兵を置けるので、町を真っ向から攻めるのは愚策。そのさらに西は細い海沿いの道と複雑な丘や岩の地形があるので左から回り込むのは実質的に不可能。
クレシア市から400トゥワーズ(800m)ほどの距離の小さな起伏や丘があり、その先は大きな沼地が広がっていた。
エルフ公軍は右翼に町と海、左翼には沼地を置き、高地に陣取っている。両翼から包み込む事は難しいし、迂回も容易では無い。
間道を辿って東へと迂回し、沼を回り込んでもっと南東からグレンウッドの森を攻める選択肢もあるけど、全軍を率いて行ったら数日はかかるし、再び良い防御拠点で迎え撃たれる可能性も高い。軍を分離して2方面から攻める手も無くはないけど、軍を沼を挟んで分離したらエルフ軍が片方の部隊を全軍で叩く「各個撃破」に出る危険があるので、安易に軍を分けるのも危険性が高い。
一方でもし丘の戦闘で敗れたら撤退した場合、騎馬の追撃が難しい森に紛れて撤退して、ゲリラ的に抵抗しながら立て直し、海軍が帰還するのを待つ、と言う手立てもあるって事か。
ずいぶんと考えられた丁寧な布陣だな、っと敵ながらに思った。
エルフ軍である公国軍の数ははっきりとは分からないが、1万以上、2万未満の様に見えたので、3万の我らが王国軍の半数程度に思える。
エルフ軍との戦闘経験のある隊長の話だと、エルフ軍の主力は重歩兵。ほとんど馬上でのみ戦うランシア王国の騎士と違い、バルガン大公国の騎士は馬で戦場に移動し、徒歩で重歩兵として戦う事を基本とし、少数の重騎兵部隊以外は徒歩で戦う事が基本らしい。名馬が多いランシアと比較し、重騎兵を支えられる馬が公国にはあまり居ないとか。
エルフ軍は弓兵を多く有するが、王位継承戦争では主に雑兵に対して有効であり、騎士の鎧は貫けないので基本的にエルフ軍でランシアの騎士重騎兵突撃には重歩兵隊をぶつけてくるとか。
対する我らが王国軍の主力部隊は圧倒的に全てを踏みつぶす、大型な馬にまたがった騎士部隊。歩兵や軽騎馬兵は騎士を補佐するだけの存在。公国軍とは根本的に軍の性質が違う。
「隊長、俺らは何をしていればよろしいでしょうか?」
「我々は敵弓兵や軽騎兵が陣建設を妨害する為に討って出た場合は追い払う役目だな。でも敵さんは防御を決め込んだ様だし、俺たち軽騎兵は今回は多分出番は少ないだろう。」
「そうですか。」
手柄を立てるのは難しいかな、こりゃ。
「でも油断はするな、何が起こるかわからんのが戦場だ。閣下のお達しで今日は陣を張って兵をたらふく食べさせて、そして休む事。敵への攻撃は明日だ。無駄な体力を使うな。」
「わかりました、ありがとうございました隊長!」
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万の兵が一本道を通って宿営地に到着するには数時間もかかる。次々と部隊が到着するが、まだまだ後続が追いついていない状態が長く続き、すでに日は正午を過ぎていて、恐らく午後3時か4時ごろになった頃だった。
前方の丘から敵陣営の動きを見張る任務を俺とベルトランは受け、王国軍の戦線の前に二人で敵陣の動きを見張っていた。
俺たちは予想外の動きを見た。
「ウラー!ウラー!ウラー!」
と歓声がエルフたちの公国軍の陣地から上がっているのがここからでも聞こえる。
強い日差しの中、目を細めて見ると、エルフ陣の中から1騎のプレートメールを纏い、大きな軍馬に乗った騎士が全軍の前を平行に走っていて、エルフ軍が応えている。
その単騎はゆっくりと草原を横切り、我が軍から100トゥワーズ(200m)程度まで接近してきた。
このエルフ騎士のプレートメールは見事な金細工が施されていて、3匹のグリフォンの紋章旗を背負っていた。エルフは兜を取り、緑色の長髪が露わになった。エルフ特有の長い耳もここから見える。
兜を片手に、馬上槍をもう片手にかざし、響き渡る大声で
「ランシア王国の名のある者に物申す、我は公国大公直属の騎士、グラリー伯爵ジョン。女神さまと聖ゲオルグの名におき、ここでランシア王国の我はと思う者に尋常な決闘を申し込む。」
ご一読ありがとうございました! もし作品を気に入って応援していただけるなら
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中世ヨーロッパ豆知識#3:中世時代の西ヨーロッパの軍馬はデストリエール等と呼ばれ、鎧を着たフル装備の騎士を軽々と乗せて走れる大型の馬が重宝された。考古学の研究では150cm~160cm前後の高さが一般的で、現在の競馬の馬と同程度かやや小さいぐらいの馬が一般的だった。
デストリエールは高額で、一番安い物(銀2ポンド)でも1頭が一般職人の1年以上の給与に値する金額でしか買えず、王が乗る名馬(銀80ポンド)等は一般人の40~50年分の給与以上で取引されていた。
作中では騎士が乗るのはデストリエール、主人公やベルトランの軽騎兵が乗るのはデストリエールの半額以下で買える小型の軽軍馬と考えています。