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グワイナー王国の今まで

「凄くのどかな風景ですね」


 国境を出たら田園風景が広がっていた。


「うちは自然しか取り柄がありませんからね」


「いえいえ、誇れる物だと思いますよ、私は好きですよ、こういう風景」


 私はそう言ってニッコリ笑った。


「いや……、なんというか……、意外ですね」


「何がですか?」


「いえ、公爵令嬢で王太子様の婚約者と聞いていたので……、言葉は悪いんですが見下して来るんじゃないか、と思っていました」


 う〜ん、やっぱりそんなイメージがついているのか。


「他の令嬢はわかりませんが私は見下したりはしませんよ。 そもそも私が希望したんですから」


「そうでしたね、やっぱり実際に会ってみないとわからないものですね」


 そう言ってカウル様は笑った。


「ところでイレイザ様はグワイナー王国についてどれだけ知っていますか?」


「確か風光明媚で昔ながらの暮らしを大切にしている、と本で読ませていただきました。 最近は外交にも力を入れている、というのは教師から聞いています」


「えぇ、その通りです。 外交に力を入れ始めたのは兄上、現国王の方針なんです」


「そうなんですか?」


「先代、僕達の父上は閉鎖的な方で積極的に外交をするような性格ではありませんでした。 一言で言えば独裁者と言いましょうか……」


「でも、国内に力を入れていた、という事ではないでしょうか?」


 そう言うとカウル様は首を横に振った。


 あ、コレ悪い方のやつだ。


「正直、父上は国王の器ではありませんでした……。 民を思いやる心を持っていなかったのです」


「それでは民が反発したんじゃないですか」


「えぇ、ですから兄が発起したんです」


「それってクーデターを起こした、という事ですか? でも、周辺国には何も情報は入って来ませんでしたが」


 普通、不穏な機運が高まってきたら何らかの情報が周辺国にも漏れてくる筈だ。


「まぁ、兄上が穏便に父上をきょ……、ではなく説得したお陰で血は流れずに済みました」


 今、濁したけど脅迫って言おうとしたよね!?


 どうやら現国王は相当のやり手みたいだ。 

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