光魔法とその影響
「はい? 今、なんと?」
「イレイザ嬢には光魔法の適正があります、どれくらいかはわかりませんが……」
……まさかの私が光魔法持ちだったとは。
「とりあえずは国に報告させていただきます。 希少な魔力を持っている者は報告する様に義務づけられているので」
「あ、はい……」
突きつけられた事実に私はボーッとするしか無かった。
学園から帰ってくるとすぐにカウル様に呼ばれた。
「聞いたよ、光魔法持ちだったんだね」
「そうみたいです」
「他人事みたいだね、まぁ気持ちはわかるよ」
そう言ってカウル様は苦笑いする。
「まぁ、実感が沸かないのは当然だろうね。 でも、納得する部分もあった」
「どういう事ですか?」
「イレイザ嬢がこの国に来てからオーランド国は魅了の範囲が広がった。 これは無意識にイレイザ嬢が抑えていたのかもしれない」
「まだ覚醒してないのにですか?」
「そしてマーニャは多分本能的に厄介な人物だと思ったんだろう。 だから君を居心地が悪くさせようとした、と思うんだ」
カウル様の指摘に私はなんとなくだが納得した。
「それで私はどうすればいいんでしょうか?」
「いや、今まで通り過ごせて貰えば良いよ。 あくまで属性がわかっただけだし……、まぁオーランド国には報告はさせてもらうつもり。 向こうの王族とはこれまで以上に連絡を綿密にしないといけないね」
「そうですか……」
カウル様の言葉を聞いて内心ホッとしていた。
せっかく自由に過ごしているのに特別な力を持っている、という事で縛られるのはまっぴらゴメンだ。
「そうなるとマーニャの聖女認定がますます怪しくなってきたな」
「ですよね、光魔法は滅多に出てこない、と聞いていますから」
「そこら辺は教会にも疑いの目を向けた方がいいかもしれないね、『聖王国』に報告した方がいいかもしれない」
「聖王国?」
「魔王を倒した勇者パーティーの1人である大聖女が建国した国だよ。 一般的には知られていないけど世界中の教会を支配下においている」
そんな国があるなんて初耳だ。
「カウル様はご存知なんですか?」
「あぁ、我が国とは昔から友好関係でね、初代王がその勇者パーティーの一員の魔導士だったんだよ」
なるほど、その繋がりがあったのか。
でも、なんだか話が大きくなりつつあるなぁ。
まさか、もっと大きくなる事は無いよね?




