イレイザは悩んでいる
新作です、よろしくお願いします。
私、イレイザ・テューラントは現在頭を悩ませている。
理由は婚約者にある、私の婚約者はオーランド王国の王太子で物心ついた時には既に婚約者となっていた、そこに私の意志なんて物は無かった。
そして、私達の関係に1番必要な物が無かった。
それは『愛』である。
いるのが常に一緒な状態な私達の関係は王太子様にとっては窮屈な物だったのだろう。
「だから、こんな状態になってしまったのね……」
私は教室の窓からため息を吐いた。
教室の窓からは中庭では王太子様と最近噂になっている男爵令嬢が仲良くお茶をしている。
最初の頃は私と王太子様がお茶していると男爵令嬢が現れていた。
本来ならば不敬だが王太子様は面白がり許可した。
この男爵令嬢、元々は平民なのだがどうも聖女の素質があり特例として男爵家の養女となった。
……男爵家は貴族のマナーを覚えさせなかったのだろうか。
まぁ、とにかくこの男爵令嬢のせいで私と王太子様の関係はヒビが入りつつあった。
そして、今のところ私にはどうもできない状態になっている。
勿論、注意はしたが何故か向こうは虐められている、と認識しているらしい。
王太子様に言いつけられ何故か私が悪者扱いされる事になる。
理不尽極まりない事だ。
だから、私は距離を置く事にしてこうして遠くから眺めている状態なのだ。
このままではマズい事もわかっている。
だが打つ手が無いのだ。