第35話 美女と野獣と獣と変人と その1
「優斗、あんたこの後ヒマ?」
退屈な授業から解放され、帰宅部であるオレはこれから何をするか考えながら帰る準備をしていた時、舞にそんなことを言われた。
「え・・どうしたんだいきなりそんなこと?」
「あ、いや・・と、とにかく!ヒマなの!ヒマじゃないの!」
「そうだな・・・」
この後は特に用事と言えるようなことはないが夕食の準備をしたり、姉を問いただしたり、姉を問いただしたり、姉を問いただしたりしたいと思っているが、別に急ぐようなことでもないし・・。
「んー・・まぁいいか。それで、何をするんだ?」
「実はね、私の行き付けの美容院の人が今カットモデルを探しているのよ」
「カットモデル?」
「そ、簡単に言っちゃえばそこに行って髪を切ってほしいのよ・・お金はとらないって言ってるんだけど、ダメかしら?」
「そうだな・・・」
無料で髪を切ってくれる。
借金をしていてあまり余裕のない今のオレにとっては魅力的な話ではあるんだけど・・・
「でもこの頭じゃな・・」
そう言いながら自分の頭の上に手を乗せる。
頭と言っても問題なのは髪の方ではなく同じく頭から生えている新しい耳の方だ。
それに髪を切るということはその人に後ろを見せなくてはいけないということだ、その美容院の人がどんな人かは知らないが、だからこそ油断はできない。
「あー・・・つまりダメってこと?」
「いや、ただ、また今度にしてくれないか?行った瞬間「ミギャー!?」は勘弁だから」
「で、でも!大丈夫よ!その人いい人だし!それに今行けば運気が上がったり、運命を切り開いたり、つーか行かなきゃ死ぬわよ!」
「・・何いっとんだお前は?」
「それに、それに、それに・・」
「・・舞」
「!?・・・ナ、ナニカナーユウトクーン?」
「棒読みになんな、目をそらすな、いいからこっち向け」
「・・・・」
「・・舞!」
「ごめん!優斗!その人に今日モデル連れてくるって約束しちゃったのよ!だから一緒に来て!」
両手を合わせてお願いのポーズをとる舞。
人助けをすることは悪いとは言わないけどもう少し後先を考えるってことをしてほしいもんだ。
「はぁ・・まったく、そういうのはもう少し考えてからにしろよ・・」
「そ、そこは私も悪いと思っているわよ・・」
「やれやれ・・行けばいいんだろ、行けば」
「ごめん!こんどなんか奢るからそれで許して!」
「はいはい・・」
「・・てなわけなんで、士郎、健人すまんが今日は先に帰っていてくれ」
そんなわけで今オレは士郎と健人にさっきのことを説明しているところだ。
「あ~別にいいよ~僕たちも今日は部活で一緒に帰れないから~」
「部活?それに僕たちってどういうことだ?」
士郎はともかく健人のやつは部活なんて入っていないはずだが・・?
「実は部長に「今度の取材は特別だから気合を入れていろいろ用意するから手伝いを連れてきて!」と言われてね」
「そこで俺が呼ばれたってわけだ」
「なるほどね・・それじゃ頑張れよ」
「そっちもね」
「おう!また明日!」
「すまん、待たせたな・・ってあれ?何で姫神までいるんだ?」
「誘ったら来てくれるって言ってね、ありがとう姫ちゃん」
「いえ別に私はそんな・・」
「姫神、嫌なら嫌と言っていいんだぞ?」
「私は別に・・」
「ちょっと何よ優斗、あんた私が無理やり姫ちゃんを誘ったとでもいうの?」
「あの・・・」
「お前のことだからな、やりかねん」
「あ・・「何をー!!」
「がみがみがみがみ・・」
「がみがみがみがみ・・」
「・・あの・・まだ続くんですか?」
クロ「どーも、少し忙しかったクロです。遅れて申し訳ない」
士郎「とか言っても忙しかったのは自分のせいなんだけどね~」
クロ「まぁ、結果よければすべて良しって言うじゃん」
士郎「その結果もあまりよくはないんだけどね~」
クロ「う・・・次回から・・」
士郎「それも何回も聞いてる言葉なんだけどな~」
クロ「・・・・」
士郎「それにもうそろそろ次回すらない状況になってくるけどどうするのかな~」
クロ「・・・・うおおおおおおおおおお!!ちくしょおおおおおお!!次回は絶対にちゃんとやってやるからな!いいか絶対だぞ!覚えてろよちくしょおおおお!!」
士郎「・・・クロが帰っちゃったので今回は僕が言います。次回に続く」