第33話 波乱の幕開け? その4
オーケー、オーケー、頭を冷やして状況を再確認しよう。
目の前の教壇には誰か立っている。
見事な黒髪を背に流し、白を基調とした服を身に包んだ女性・・
いや、絶世の美女が微笑みながら立っている。
その見た目、声、雰囲気などには見覚えがあるのでそれらを脳内検索にかける。
検索中......
検索結果
「ゆうちゃ~ん、お風呂洗おうとしたら~!!」
「姉さん・・なんで風呂洗いに掃除機使ってんの?」
「ゆうちゃ~ん、ストーブが~!!」
「姉さん!灯油とガソリンはまったく違う物だって言ったでしょうに!!」
「ゆうちゃ~ん、食器のお皿全部割っちゃったの~どうしよ~」
「・・・・・」
駄目だ・・思いだしただけでも頭が痛くなってきた。
・・はい、これらの結果から目の前の人物は我が愛しくない姉、大島由美子であることがわかりましたとさ、めでたし~、めでたし~。
んなわけないだろ
「Hey!姉さんどうしているのhere?」
「日本語話してください♪」
む、しまった、まだ混乱しているようだ。
「いるのここにどうして姉さん?ねえ!」
「日本語ってわかりますか♪」
いけない、おっと落ち着かないと、いけない・・
「あんたはいったいなんなんだぁー!」
「姉です♪」
えっと、だから、そうじゃなくて、あーでもなくて、こーでもなくて・・
「ちょ、ちょっと落ち着きなさい優斗!あんた頭から煙が出てきてるわよ!?」
「ついでに言うと目にも渦巻きが出てきてるよ~?」
いやなんでねえさんがこんなところにしかもせんせいになってるのこのひとはふつうありえないくらいのうてんきでまいぺーすなのにきょういくなんてできるわけないじゃんこれもまたせんせいのいんぼうなのかああそうですかくろのいんぼうですかつーかくろはもっとはやくこうしんしろむりとかいうなぼけそこへんなめでおれをみるな
「うお!なんか口から変なもんが漏れ始めたぞ!?」
「がたがた震え始めましたよ・・!?」
だからなんでおれがこんなめにあわなきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ・・
「・・・ふぅ・・面倒だ、誰かこいつ何とかしろ」
「光、どさくさにまぎれて煙草を吸わないの♪」
あzwsぇdcrfvtgbyhぬjみk!?
「お、おい!こんどはなんか光始めたぞ!?」
「そ、総員退避、急げー!!」
あまりの状況に一部の生徒たちが外に飛び出し始める。
しかし、そんな中それに近づいていく人物が一人・・
「あらあら、大丈夫よ、そう怖がることはないわ」
「先生!危険です!」
「だから大丈夫ですよ、だって私の弟なんだもの!」
「先生・・・」
「それに世の中には一人ぐらい頭から煙を出したり、口から何かがあふれ出たり、光ったりする人間はいるでしょ?」
「「「・・・いるわけねーだろ!!」」」
クラスから総ツッコミをくらう由紀子、しかしニコニコと笑みを浮かべてそれにまったく動じる様子がない。
「そんなボケはせんでいいからさっさと次に進みなさいよ、これじゃいつまでたっても終わらないじゃない」
「あばばばばばばばばば・・・!!」
「え~でも~」
「えべべべべべべべべべ・・・!!」
「でも~じゃないわよ、私は・・「あががががががが・・・!!」
「・・・・ちょっと待ってね」
そう言うと光は何やら危ない空気を放っている優斗の襟首をつかみ体勢を整えて・・
「くらああああ!!うるせえんだよおおおお!!」
渾身の力を込めて優斗を窓の外にぶん投げる。《そぉい!
そのぶん投げられた優斗は重力に逆らいまっすぐと青空に向かって飛んで行き、やがて見えなくなってしまった。
「ふぅ・・やっと静かになったわね」
「は!?・・・・・夢か・・・」
「んなわけないでしょ」
「ですよねー」
みぎゃー
クロ「どーも、帰ってきた・・と言ってもまったくパワーアップしていないクロです」
姫神「もう少し・・頑張った方がいいですよ・・?」
クロ「頑張りたいけどやる気が出ないぜ」
姫神「でもこのままじゃ・・」
クロ「俺は直前に本気だすタイプだから大丈夫だぜ」
姫神「本気を出したのは本当に危ない時限定でしたよね・・?」
クロ「結果良ければすべてよし!勝てばよかろうなのだー!次回に続きます」