第30話 波乱の幕開け? その1
「よし!」
アルバイトが終わり、休日が終わり今日はひさびさの登校日だ。
今の時間は8時ちょうど
いつものように目を覚まして、いつものようにご飯を食べて、いつものように準備を始める。
シャツを着て、ネクタイを締めて、ズボンをはいて、ズボンの穴からしっぽを出して、最後に学生服を着る。
・・一部変な所があったが気にしないでくれ。
「んー今日もいい天気だー」
天気は今日も快晴、ついそんな言葉が漏れてしまう。
耳(ネコ耳)すませば聞こえてくる小鳥のさえずり、そよそよと吹くやさしい風の音、そして・・・
(ひそひそ・・)おい・・まだなのか?
(ひそひそ・・)ちょっと待て・・いつもならそろそろ出てくるはずだ
(ひそひそ・・)は、はやくしてくれ・・禁断症状が・・
(ひそひそ・・)優斗ー俺だー(ry
「何やってんだよ・・」
ドアがある方角から聞こえてくるそんな会話。
おそらく・・じゃなくてもオレを待ち伏せているのは明らかだ。
・・まぁ、わかっていて相手をしてやるほどオレはお人よしではないんだけどね。
ガチャ・・
「とう」
玄関から出ることはできなくなったので窓を開けてそこから一気に飛び降りる。
こういう時ネコの体は便利なもんだ。結構な高さからだったが怪我ひとつ無く着地、外の連中に気づかれる脱出に成功する。
「悪いけど、自業自得ってことで」
家の前に多くの奴らを残してオレは学校へと向かう。
・・ええ、まぁわかっていましたとも、世の中(オレ限定で特に)甘くはないってことぐらい。
「はぁ・・はぁ・・!」
「見つけたぞー!場所はポイントA3地点!」
「こちらブラボー1、可能な限り援護する!」
「オメガ1、2はポイントB2で待機、待ち伏せしろ!」
「「了解!!」」
「ちくしょおおお!!どうしてこうなったー!!」
学園を全力疾走しながら今日も木魂するオレの絶叫
--10分前--
クラスメイトの男子発見
「おはよう」
「・・・・ピ!」
「ん、どうしたんだ?」
「ポイントD2にて目標発見!至急応援求む!」
「・・・なんでだー!」
以上、報告終了。
「ああー疲れたー」
んで現在、何とかまくことに成功したオレは路地裏で少し休憩をとっている。
「時間は・・・まずいよな・・」
携帯で確認したが今の時間は8時30分。
まだまだ余裕があるように見えるがあの包囲網をぬけ出して学校まで行くのは至難の業だ。
「見つけたぞー!」
「やべ!?」
いつの間にやら見つかっていたようだ。
逃げようと反対側を向くと・・
「おいおいおいおい・・・・」
気がつけば前後ともに男子たちで埋め尽くされており、左右は壁しかない。
逃げ場無し。その言葉で頭が埋め尽くされる。
「全員・・・」
リーダーと思われる人物から攻撃命令が下されようとしていた。
・・ああ、せめてまともな人間に会いたかったな・・・最後に思うようなことじゃないよな、これ
「かかれ!」
瞬間
吹っ飛ぶ男子生徒たち
「は?」
あまりにありえん光景に間抜けな声が出てしまう。
いや、だって一人二人ならまだしもダース単位で吹っ飛んだんだぜ?
「な、なんであんたがここに・・!?」
「あんた達の動きをこっちが把握できていないとでも思ってたの?」
男子生徒たちの屍の山の上で仁王立ちしていたのは我らが学園の最強の存在にして生徒会副会長、藤原愁さんだった。
「さて・・何をしていたかじっくりと話してもらおうかしら・・?」
「く・・相手はたかが一人だ!かかれー!」
「うおおおおおおおおおお!!」
---5分後---
そこには傷ひとつ無くピンピンとしている副会長の姿が!
・・とりあえず二段ジャンプとか空中三回転回し蹴りとかどうやったら出来るようになるんですか? 匿名希望の白ネコさん。
「ありがとうございます、副会長」
「別に礼を言われるほど大したことはやってないわ。それにしても・・・懲りない連中ね・・」
なんか踏まれている奴が痛みを堪えながら笑みを浮かべている。・・この記憶はすぐに消そう、うん。
「どうやら片付いたみたいだな」
新しく現れたのは会長、つまり中島大地さんでした。
「ピ!・・こちらコマンド1、ポイントB2にて大量の違反者を確保。近くにいる者は「処理」の手伝いを求む。以上だ」
えーと・・言い間違い・・ですよね?
「どうやら二人とも無事なようだな」
「当たり前でしょ。こんなのが100、200いたところであいつに比べれば・・」
HAHAHA!聞きました?副会長にとって100や200の男子生徒なんてどうってこともないらしいですよ奥さん。
「大島優斗」
「え、はい!」
いきなりオレの名前を呼ぶ会長。いったい何なんだろう?
「君は今の自分がどういう存在かわかっていないようだな」
「・・・は?」
「そうよ、あなたを狙っている連中なんてそこら中にごろごろいるんだからもっと・・・」
「あ、あの・・・」
「くどくどくどくど・・・」
「くどくどくどくど・・・」
「・・・・・・」
いきなり始まる生徒会ズの説教タイム、もちろん二人の説教によってオレが遅刻をしたのは言うまでもない。
それに対して二人は先ほどの「処理」によって遅刻を免除されたとか。・・理不尽
クロ「どーも、逆さ爪いてぇ!なクロです」
優斗「クロにとって冬は静電気<逆さ爪だとか」
クロ「今年は特にひどい。切っても切ってもすぐになる」
優斗「まぁ確かにつらいわな」
クロ「それはともかく、31日から帰省することになりましてしばらく更新出来なくなってしまいます」
優斗「早ければ5日ぐらいから更新をする予定ですが・・クロの言うことなんであまり信用しないでください」
クロ「そんなこんなで1年もそろそろ終わり、みなさんも油断せず元気に年を越せるよう気をつけてください。・・次回に続く」




