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第29話 ネコのアルバイト! その5

bar IKIZAMA


風由学園の商店街エリアのどっかの路地裏に存在する酒場。


学園内ということもあり利用客はあまり多いとは言えない。


しかし、一部の人達からは評判が良くそのおかげで商売が成り立っているとか何とか。


------------------------



「マスター・・その子を僕にください!」

「俺の屍を越えて行け・・」


とか言って始まる殴り合い。・・オレはいつマスターの物になったんですか?



優斗争奪戦


男子学生B VS マスター


結果 引き分け


決め手 クロスカウンター




「マスター・・」

「・・・・」

「・・もうかりまっか?」

「ぼちぼちでんな・・」


何をしたいんだあんたら。






「ふぅ・・・」


少しづつだがあれからお客は来てくれるようになった。


しかし、どこかずれていたお客の相手をしなくちゃいけなかったことと初めてのバイトということもあってだいぶ疲れがたまってきていた。


ちらと時計を見るが、まだ閉店時間まで1時間近くあり、ついため息が出てしまう。


「子猫ちゃん・・もうお疲れかい?」

「あ、いえ、まだまだ大丈夫ですよ!」

「・・・耳としっぽがへたれているが?」

「う・・・」


表面上うまくいったと思ったが、おもわぬ所でぼろが出てしまった。


「あまり無理はよくないぞ?」

「いえ、ですけどあと1時間くらいですし・・・」

「まだ初仕事なんだ、無理をして何かあった方が困る。今日はこれで閉店にしよう」

「けど・・・」

「子猫ちゃん・・ここのマスターはいったい誰だったかな?」

「・・・・わかりました」


マスターの命令じゃ仕方がない・・か。ここは素直に従うとしよう。


「・・・ああ、ちょっと待ってくれ」

「なんですか?」

「初仕事が終わったんだ、ご褒美ってやつだよ」


そう言ってマスターは何処からか小さな小瓶を取り出した。


「これは?」

「これはなんでも外国産のハーブ酒らしい。ある客からもらったもんだが俺には合わない代物だ」

「あの、一応オレ未成年なんですけど・・」

「安心しろ、これの度数はかなり低い。言ってみればジュースみたいなもんだ」

「へぇ、そうなんですか」


それなら安心だな。


そう思ってしまいオレはコップに注がれた琥珀色の液体を何のためらいもなく一気に飲みほしてしまった。


「ふぅ・・これはなかなか・・あの、もう一杯くれません?」

「・・それにしても疲れた顔をしてるな子猫ちゃん」

「あの人と関わっていれば年がら年中疲れた顔にもなりますよ」

「それもそうだな・・」

「んぐ・・まぁこれでも大分ましにはなったんですけどねー」

「そうなのか?」

「にゃふん・・ええ、ここに来る前はあの人以外にもあのばかあねがいましたからね~」


ああ、なんだかきぶんがいい。

こんなにきぶんがいいのはなんねんぶりだろうか?


「・・・子猫ちゃん酔ってないか?」

「あっはっはっは、まさか~これでよわないっていったのマスターじゃないですか~」

「・・お前さん少し・・」

「おまえ~?わたっしのなまえはおまえなんてなまえじゃありません!」


ニャハハ!としょうじょのわらうこえがきこえる。

こえからしてきっとかわいらしいおんなのこだろう。


「・・もう止めておけ」

「え~なんでですか~」


コップを傾けようとした時マスターがそれを止める。


そんな時


カランカラン・・


「悪いが今日は・・なんだお前か・・」

「なんだとは失礼ね。それにしても・・・これはどういう状況かしら?」


そこにあったのは顔が真っ赤でぐでんぐでんになっている幼い少女がグラスを傾けようとしているがマスターがそれを止めているという何とも言えない状況だった。


「せんせ~ますたーがいじわるするんですよ~」

「はぁ・・あんたこいつに何飲ませたの?」

「こら~むしをするな~」

「この前お前からもらったハーブ酒なんだが・・これはいったい?」

「どうりで・・実はこれには・・・」

「む・し・を・す・る・にゃ~~!!」

「うるさい」

「げふ!」


見事な一撃が炸裂。

直撃を食らった優斗はカウンターにへばりつくように倒れた。


「やっと静かになったわね・・」

「やれやれ・・だな。さていったいあれは何なんだ?」

「あれは普通のハーブ酒よ・・人間(・・・)にとってはね」

「人間?」

「そう、あれにはまたたびが入っていたのよ」

「・・・なるほどな。猫であるこいつはそのせいでああなったってわけか」

「そういうこと。・・さて、こいつは持って帰らせてもらうけど問題はないわよね」

「ああ、どうせもう店じまいだ」

「・・ああ、そうそう一応言っておくけど今度あいつがここに来ることになったから」

「あいつと言うと・・・か?」

「そ、・・・よ」

「・・・・・」

「・・ま、何とかなるでしょ、それじゃね」

「他人事だと思って・・」



バタン!カランカラン・・

クロ「どーも、・・どーにもうまくいかないクロです」

副会長「どーもしなくてもうまくいかないでしょあんたなんか」

クロ「まぁそうなんですけどね。しかしやっぱりうまくやりたい所である」

副会長「そう思うならもっとがんばりなさい。一応見てくれている人も・・・いると思うわ」

クロ「そこは言いきってほしかったぜ・・冬休みに入ったのでいろいろ頑張っていきます。次回に続く・・」

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