第1話 状況を整理しよう!
風由学園科学室そこは科学室と名前はあるものの実体は橘光の実験室である。
曰く そこではタイムマシンが量産されている。
曰く そこには不老不死の薬がある。
曰く そこには宇宙人の標本が存在する。
などなどさまざまな伝説が存在する場所に今6人の男女がいる。・・いや一人だけ「一人」と数えるには疑問を持つ者がいる。
見た目は小学生くらいのかわいらしい白髪の少女ではあるがだぶだぶの男物の制服を着ておりその頭にはぴこぴこと動くネコ耳がありその背中からはしっぽが飛び出てふりふりと動いていた。
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「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
気まずい沈黙が流れる。
「ええと・・・これ治るんですか・・?」
勇気を振り絞り声を出すがそれは慣れ親しんだ男の声ではなくかわいらしい少女の声だった。
「・・・・今はむりね」
「ッ!・・・・・」
「そんな!なんとかならないんですか!」
「そうですよ!もう一回あの機械を使えば!」
健人と舞が抗議の声をあげた・・しかし
「悪いけどそんな単純なことじゃないのよ」
そう言って先生はコーヒーの入ったカップを持って席を立ち。
「いい、このコーヒーはまず固体だと思ってそしてその固体はさっきまでの優斗だと思って」
そして今度は空のカップとストローを用意して
「さっきの実験はこのコーヒーの固体を液体にしてそれをストローを通して空のカップに移動させてから固体に戻すことで移動させようとしたの。でもね・・・」
そう言うと今度はミルクを取り出して
「液体になった時にミルクが混ざっちゃたせいでミルクコーヒーができちゃったてわけ。固体のミルクコーヒーを液体に戻してもそれはミルクコーヒーにしかならないでしょ?それにミルクとコーヒーは一度溶け合ってしまえばもう分けることはできないの」
そんなことをあっさり言われてしまった。つまり・・つまりオレはこれから一生このままだと・・・
「ちょっ!ちょっと!勘違いしてもらっちゃ困るわよ!誰が一生このままだって言った!」
「で・・でもさっき溶けたらもう分離できないって・・・」
「それはコーヒーの話でしょ。それにさっきも言ったでしょ今は無理って」
「じゃ・・じゃあ!」
「何時とは言えないけどいつか治してあげるわ、私が保証する。だから少しの間待ってなさい」
やった!希望はまだある!先生にかかればこんなのすぐに決まっている!そうだろ!み・・ん・・な・・?
「「「「・・・・・・」」」」
あれ?みなさんどうしたんですか?
舞さんどうしてそんなに息が荒いんですか?
姫神さんなにをそんなにゴニョゴニョ言ってるんですか?
士郎さんなにをそんなにニヤニヤしているんですか?
健人さんどうしてそんなに顔が赤いんですか?
「「「「・・・・・・・」」」」
「ええっと・・皆さん・・・?」
「も・・・・もう駄目・・我慢できなぁぁぁぁぁぁい!」
そう言っていきなり舞がオレに飛びついてきた。
「あ~ん♪か~わ~い~い~」
「まっ舞!やめ・・ぁっ・・ダメ・・」
引きはがそうとしたが駄目だった。あれ?舞ってこんなに力強かったっけ?必至になって押し返そうとするが全くびくともしない。
(おかしい!?何かがおかしい!?)
「すりすりすりすりすりすり♪」
舞がすごい勢いで頬ずりしてきた。かなり痛い。
そこでオレは気づいてしまった。そう今のオレは女の子なのだ、それも小学生くらいの。
身長は舞よりも小さくなり力の方も格段に衰えていた。これではたちうち出来るわけがないのだ。
「いや~ん!部屋にかざりた~い!」
「・・・・(う・・うらやましい・・)」
「あはは~♪|《カシャ!》」
「・・・・・・・・・」
舞はやたらと抱きついてくるし、姫神はなんかうらやましそうにこっちを見て助けてくれないし、士郎のやつはいつの間にか持っていたカメラでオレをとってるし、健人は相変わらず顔赤いし。なにさ!なにさ!みんなでオレの・・オレのことぉぉぉぉ!
「ううううううう・・ニャァー!」
「ぎにゃー!《がりがりがりがり》」
野生の本能に従いオレは新たな自分の腕についていた猫爪で舞を思いっきり引っ掻いた。
「いたいいたいいたいいたいいたい!」
「フウウウウウウウウウウ!」
舞をひきはがすことに成功したものの気持ちが収まらない。
「やれやれ・・・優斗~こっちをみなさ~い」
「フウゥゥゥ・・ゥ・・ゥ・・」
それを見た瞬間今までMAXだった警戒心がいっきに0になってしまった。・・せんせいがもっているものはじぶんでもよくしっている。だけどなんでだろう?・・・いまはそれからめをはなすことが・・・・・
「ほれ、ほれ」
「ふにゃ!ふ!ふにゃあ!」
「あたたたたたたたた・・」
「・・・・かわいい・・・」
「ふんふん♪|《カシャ!》」
「・・・・・・・・・」
先生にねこじゃらしを使われ30分近く我を忘れて遊ばされてしまった・・・恥ずかしい・・・
猫大好きなんですが猫に関する知識はほとんどゼロなのでできるだけそういったところはスルー&鵜呑みにしないでください