第22話 初めての日常 中編その3
いきなりですがピンチです。
普通だったらあの後、みんなで騒いで遊んで・・とイイ話につながるわけなんですが・・・
現在の状況
ワレ スカートニヨリ コウドウセイゲン ダレカ ヘルプミー
この信号の返信
「優斗・・・あんた、カメとも合体してたっけ・・・?」
「優斗~ゆっくりしてると余計目立つよ~」
「優斗・・・ピンチの時こそチャンスありだ!」
「ええと・・・その・・・」
気持ちいいくらいの笑みを浮かべながらもしっかりと青筋を立ててお怒りの様子がばればれな舞さん。
さっきまでのかっこいい姿はどこへやら、カメラを片手に今日もニコニコ士郎さん。
確かに今はピンチですがこの状況をどうチャンスに変えろと・・・?かっこいいポーズはしなくていいからさっさと助けてください健人さん。
助けてくれようとしてくれるのはうれしいですが「力なき正義に意味はない」って言葉を知ってますか姫神さん?
要約
ンナコトハドウデモイイ サッサトシロ ボケ
結論
あんなことがありましたがやっぱりみんなはみんなでした。
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「やっとついたわね~・・」
心底疲れたような声でそんな事を言う舞さん。・・わかったからそのいやそうな面をこっちに向けるな。
俺達は今学園内唯一のデパートの中にいる。
小さいながらもデパートと言うだけあり大抵の物はここでだいたい買えてしまう。・・いくらなんでも限度ってもんがあるだろ・・
今回は服やら道具やら・・といろいろ買う物が多かったため俺達はデパートにまで足を運んでいた。
「お~い何してんの~おいてくよ~」
おっと、いけない。
これ以上待たせたら何をされるかわかったもんじゃないな。
そんな思考をカットして俺はみんなの後を追いかけていった。
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「はぁ!?服がないですって!」
場面変わってここは洋服店。
いきなり舞の叫びがこだまする。
「申し訳ありませんがここは高校生の男女を基準とした服しか取り扱っておりませんので・・・」
そう申し訳なさそうに店員は言いながらオレの事をちらと見た。
考えてみたら当たり前のことだ。
ここは学園内、買い物客のほとんどが学生ということになる。
対して今のオレは小学校低学年くらいの大きさしかない。
つまり学生用の服しか売れない所に今のオレに合う服があるわけがないのだ。
「仕方ない・・・他をあたろう・・」
「ああー!!もうなんで何処にも売ってないのよー!」
今日何度目かの絶叫。とりあえず他の人迷惑になるから店を出るたびに叫ぶのはやめなさい。
あの後デパートの中だけでなく知っている洋服屋を全て当たったが結局オレに合うサイズの服は見つからなかった。
「でも・・・本当にどうしましょう・・・」
姫神の言うことも、もっともだ。
全ての洋服屋がオレに合う服を持っていない=すぐにはオレの服が手に入らないということになる。
そこまで大した問題ではないものの、すぐに服の代えを用意することができないという状況はやはり好ましくない。
それにできればあのジャージとはさっさとおさらばしたい身なのだ。できればこの問題は今解決しておきたい。
そんな時・・・
「あはは~ここにないなら「外」に行けばいいじゃないか~」
「「外」?」
士郎が当たり前のようにそう言った。こいつは何を言ってるんだ?
オレ達の言う「外」とは学園の外のことを表す。
確かに「外」に行けばオレに合う服を買うことはできる。
しかし「外」に行くにはそれなりの理由が必要で夏・冬休みでもないのに「服を買いに行きたいです」と言って「はいそうですか」と許可を与えてくれるわけがないのだ。
「あんたそんなことできるわけが・・・」
「いい考えがあるんだよ~」
舞の否定的な言葉も華麗にスルーして士郎が自信満々に答えた。
こいつのいい考えというのは確かに効果が絶大だが違法すれすれのものが半分、違法なものが半分という困った考えが多い。
・・この顔は違法な考えを使おうとしているな・・・
「ほらほら~善は急げだよ~」
とりあえずお前が善を語るな。
いやな予感がさっきからぷんぷんと臭ってくるが誰もこの流れを止めてくれるわけがなく、相変わらず流され続ける休日のオレであった・・・。
クロ「どーも、教えてくれ舞・・・俺はあと何回中編を書けばいい・・PCは俺に何も答えてくれない・・・なクロです」
舞「計画性もなく勢いで書いたあんたが悪いでしょ」
クロ「いや、だってさー前中後ぐらいで書けると思ったんだもん」
舞「このあたりでやっと前~中あたりの予定だったくせに何言っての?」
クロ「まぁ、そこは予想外ってことで」
舞「そんなんだからリアルでも失敗するのよ・・」
クロ「そこは笑って許してくださいよ!次回に続きます・・」




