第8話 嵐のあとは・・・
「はぁ・・・はぁ・・・」
部屋に入りやっと一息つけた。
「どこ行ったの~?」
「徹底的にさがすわよ!」
外はまだ騒がしいもののここにいればなんとか見つからずに済みそうだ。
「はぁ・・あ・・ありがとう姫が・・・み・・」
姫神という天使にお礼を言おうとしたがそこには天使だけでなく悪魔も一緒に住んでいたのだった・・・
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「♪~♪~♪~」
オレが入った部屋は姫神が使っている部屋だった
「・・・・・・・」
しかし部屋に入ったはよかったがそこの部屋はなんと舞と共同で使われている部屋だった。そのためオレは一緒に部屋にいた舞にものの数秒で捕まってしまった。
「大丈夫よ!別にとって食うわけじゃないから!」
そして今オレはドレッサーの前に座らされ髪をいじられている。
「しっかし・・ほんとにきれいな髪ね・・」
そんなことをつぶやきながら髪をいじっていく。
だが確かにきれいな髪だ。ぼさぼさだった黒い髪は今やさらさらに整っておりとても手触りがよさそうだ。色はまるで雪の様にまっ白くつやつやと光沢が出ている。
・・・いやそれだけじゃない・・目の前に映る少女はとてもきれいだ・・
目鼻立ちの整った容貌。特にくりくりとした大きな瞳がかわいらしい。
まるで人形のような小さな体。
汚れを知らないような透きとおった肌と真っ白な髪。
頭にはかわいらしいネコ耳がぴこぴこと動いており、その後ろではしっぽが元気に動き回っている。
さらにメイド服というアンバランスさが少女の魅力をさらに引き出している。
おそらく街に出れば数分おきに声をかけられてしまうだろう。
「ね・・」さらにこの姿で「ちょ・・と・・」あんなことを・・
「ちょっと!聞いてるの!」
「!は、はい!なんですかにゃ!?・・・・・・あ・・」
つい言ってしまった。
「んふふ~、気分はどうかにゃ~、優斗にゃん!」
ちょっとした油断から再び弱みを握らせてしまった・・・・
「聞・い・て・る・の・か・にゃ~ん?」
っく!こうなったらもうやけくそだ!
オレは舞の方に向いて・・・
「許してください・・・ご主人さま・・・」
手を組み、ちょっとだけ涙目になり、できるだけ困ったような顔してそんなことを言った。
内心何度も死にたくなったが必殺のウルウル攻撃を決めるため心を押し殺した。
「・・・・・・・・」
予想どうり、舞の顔はいっきに真っ赤になりその鼻からは赤い液体が流れていた。
その瞬間を見逃さず隠し持っていたケータイでそのアホ面を写真に撮った。
「・・・・・・ああ!な、なにとってんのよ!」
「あくまで保険だよ。お前に対してのな。」
何とか作戦は成功。オレも手札を一枚手に入れることができた。
「ぐっ!卑怯な!」
「お前が言うな・・・」
とりあえずこれで当面のことは何とかなるかな・・・あれ?姫神さんさっきから何で背中を向けてそんなにふるえているんですか?
「いいからそれを早くけしなさーい!」
「うわ!そんなことできるかー!」
その後も愉快なキャットファイトがしばらく続いていたとかなんとか・・・・・
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私の隣にはかわいらしい少女が眠っている。
「・・・・・すぅ・・・」
最初は一緒になるのをとても嫌がっていたが眠ってしまえばかわいいものだ。
「・・・・・・・・・・」
隣にいるのは今は少女にしか見えない。・・・しかしもともとは少年で私の幼馴染なのだ。
「・・・・・ねぇ・・・・・」
「・・・・・すぅ・・・・」
相変わらず気持ちよさそうに眠っている・・・私の気持ちも知らないで・・・
「・・ねえ・・私どうしたらいいかな?・・・」
目の前にいるのはユウトであって優斗じゃない。大島優斗はまだ死んではいないが今はどこにもいないのだ、目の前にいるのにどこにもいない・・・それが私にとってとてもつらい、なぜなら・・・
・・ねぇ優斗・・私ね・・あなたのことが・・・・・
言葉を紡ごうとしたとき少女が寝返りをしてこっちを見てきた。
とても幸せそうな顔をしている。よっぽどいい夢を見ているのだろう。
「・・・・・ふ・・・やっぱり駄目ね・・・」
このことは今言うべきではない。このまま言う機会は一生にないかもしれないが少なくとも今言うべきではない。・・・いやこの言葉を使っていいのは一回しかない。
「それまで私はゆっくり待ってるわ・・・けど帰ってきたら・・・覚悟しときなさい・・・」
とにかくもう寝よう、明日は待ってくれないんだから。・・・願わくば幸せの夢を私に・・・good night・・・
クロ「どーも、年齢=彼女いない歴のクロです」
先生「そんなやつが恋愛描写なんて・・・」
クロ「自分なりに一生けん命書いたやつだからそこんところは許してください・・・」
先生「そんなものはどうでもいいけどさっさと続きを書きなさい。私主役の」
クロ「いや、むりだわ、もう眠くてしょうがない」
先生「だらしないわね・・・」
クロ「なんとでもいえ・・それではまた次回・・・」