世界で一番最強になったので魔王をぶっ殺してみようと思います〜withマブダチと共に〜
俺はこの世界で最強だ。
どんな敵にも、負ける気はしない。ステータスが常人に比べて数百倍あるんだ、しかも俺は多くのスキルを持っている。
こんな俺が周りの人に恐れられないのは、親友のおかげだ。親友は俺よりずっと弱いけど、その正反対な性格で俺の背中を押してくれるんだ。
俺が街の人に怖がられていないか不安になった時も、竜を殺して国中の人に恐れられた時も、モンスターを使役する国を王の命令で滅ぼした時も、親友がいたから俺はここまでこれたんだ。
親友には一人妹がいる。これがまた、可愛いんだ。でも俺には愛するものがいる、親友も自分の妹には男を寄らせようとしないほど溺愛しているしな。いくら可愛かろうが俺と親友の妹ができるって話はないだろう。
だが俺も、親友の妹を、自分の妹の様に思っている。国と駆られ兄妹を選べと言われたら、兄妹の方をとるだろう。
そんな俺たちはついに魔王と戦うことになった。魔王を倒せばこの世界からモンスターがいなくなる。モンスターは人を食べて成長する、食べれば食べるほど強くなるから、人々に恐れられている。
俺たちは昔から、人を脅かすモンスターをなんとかしようと行動してきた。中にはモンスターを消滅させられると困る輩もいるそうだが、とにかく今日ようやくそれが叶うのだ!
そしてついに!俺たち二人は魔王と戦った。親友が支えてくれる。さすがは魔王、俺がいかに最強と言っても、圧倒的な力を持つ魔王とはその力は拮抗していた。
だが、やはり俺は最強だ。俺たちは魔王を追い詰めた!魔王は命が惜しくなったのか、城の外へ逃げ、崖の上に登り、最後の最後まで必死の抵抗を見せた。
俺たちが魔王を崖の上へ追い詰めたその時だった。
「たすけておにいちゃん!」
その声は俺たちの横方向、遥か遠くから聞こえた。向くとそこには怪しげなフードを被った男が一匹のモンスターの前で妹を抱え、ナイフを突きつけていた。
俺たちの脳が止まった。魔王が逃げる、妹が殺される。モンスターがいなくなる、妹がいなくなる。
俺より先に親友が妹を救おうと動いた。俺もそれを追うが、すでに遅かった。
フードの男は妹の首を切り、そのまま一匹のモンスターに投げていた。それは声を出された瞬間にすでに行われていた。
モンスターは、俺たちの目の前で妹を貪り食った。
途端、光る体。モンスターは妹を食べたことで強力な力を得た。それは俺からしたらすぐにでも倒せる実力、剣で一振りすれば殺せるくらいの弱さだ。
だが、親友にとっては別だった。妹を食ったそのモンスターは、親友よりも強かった。目の前で、ボコボコにされ、横たわった親友にふんぞりかえるモンスター。
俺は全く、手が出せなかった。




