それぞれのレスカ ②ウィンディア&ピックランツ
「駄目だねえ……!ジェイルーンの入学志願書は全て処分されてしまっていた。」
がっくりと肩を落としたウィンディアに、ピックランツは励ますように声を掛けた。
「ウィンディア先生、そんなにがっかりしないでください!!先生……このリスト、凄いですよ!よくこれだけ集められましたね!!」
ピックランツは何枚にも及ぶ書類をぺらぺらと捲った。そこには、傭兵関連に限らずあらゆる科目の、卒業試験に落ちたセイントレア人の名が羅列してあった。
「でもなあ!あの、生意気な奴の素性が分からなかったのがどうにも悔しいんだ!」
「先生がそんなに気になさるということは、やはり怪しいということですか?」
「そういう訳でもないが気持ち悪いんだよ!殆ど出揃っているのに一つだけ出てこないというこのシチュエーションが……。」
「完璧主義ですもんね。」
「そう!どうにもモヤモヤする。」
「一つずつ追っていきましょう、願書が処分されたとはどういうことですか?決まった焼却所かなんかへ持っていくのですか?」
「私が調べないとでも思うか?ジェイルーンでは、入学志願書は三か月間取っておく。これは急に補欠要員が出た時の為で、期間を過ぎたら焼却する、答案用紙と共にね。とにかく志願者の数が多いから、年々積み重なると結構なスペースをとってしまうらしいんだ。ジェイルーンでは自家の焼却炉を持っていて、そこで書類は丁寧に焼かれ灰となり、農業学の肥料として使われるそうだ。」
「では、入学志願書は……?」
「もうとっくにジェイルーンの畑の中。」
「そうでしたかぁ…………。」
ピックランツは尊敬の念をもって、頬杖をついているウィンディアを見た。それを調べるだけでも相当な労力を要しただろう。
「彼を面接した、他の面接官はどうでしたか?」
「私と同じように、誰も名前を記憶していない。……フリード……マテウス……ケーファー……何だったかなあ!考えれば考える程分からなくなる!」
「先生、そんなに悩まないでください!」
「悩むよ、思い出せない限り夜も眠れない!この辺まで出て来そうなのに……!ああ、セイントレア人なのは間違いないようだ、それは一致している。」
「色々調べてくださってありがとうございます!!」
「君だって協力している側じゃないか。まあ、思い出せるように努力してみるよ。他の二人も物凄く気持ち悪がっていたから、思い出したら連絡をくれるそうだ。」




