色々大変なんだね
……ね、リア。
……何だ?
馬を疾走させながら、リアは頭の声を聞いた。
……お前って色々大変なんだね。
……そう漠然と言われてもよく分からんが。
……自発的に危ない土地へ行き、そこから戦地へ向かう。セインティアでのことがなかったら、俺、お前が本当に王女か疑っちゃうところだよ。」
……はぁ――!!お前、自分のことは何もかも忘れているのに、そういう常識的なことだけは覚えているんだな!
……おお!そういえば!
……全くのんきなもんだ。
……そんなことないよ。……ケールっていい奴だね。
……そうだろう?いい奴なんだ。
……ケールはリアのことがとても好きなんだね。
……とても好き?……うん、好きか嫌いかで言ったら、好きなんじゃないか?ずっと私の部下だったんだし。
……近衛だったの?
……いや、厳密にはジェマーソンの部下。でも、実質的には私の片腕だった。
……なるほどなあ、そういうことか。
……ん?何がだ?
……近衛には容姿端麗がそこそこ求められるだろう?ケールは悪くないけど、そんな感じじゃない。
………………。お前、自分のこと以外は案外分かってるね。
……本当だねえ!でさ、ケールはお前のことが好きだよ。俺がお前を好きみたいに。
……そんな訳ないだろう!今はこっちに送ってしまったが、ずっと行動を共にしてきたんだ。そんな間柄ではない。
……そんな間柄だからだよ。
……意味が分からん。
……ずっと行動を共にしてきて、お前に惚れない訳がないだろう?俺が一番よく分かる。ケールはお前のことがとっても心配で、愛している。
………………。
……俺、ケールだったらいいな。
……何がだ?
……今世、一緒になるのがケールとでも。来世は俺が確約しているから、今世はケールに譲ってもいいかな。
……アホか――――っ!!
……あ、アホって……。
……自分のことは何もかも忘れているのに、どうでもいい常識的なことと、くだらない妄想だけは豊かだな!
……くだらないって……。
……山を越えるぞ!妄想に付き合っている暇はない!道なんかないから、踏み外したらお前も私もどうなるか分からないからな。ちょっとは黙ってろ!
……はい……。
亡霊は口を噤み、リアが見上げた険しい山に視線を合わせた。
美しい王女様が、戦って活躍する話なんかいいな――。
そんな軽い動機でした。
炬燵で食べるアイスのように、雪が降りしきる中で入る温泉のように。
まさか、本当に、戦争が起こるとは。
「事実は小説よりも奇なり」とは、正にこういうことですね。
何と言い表してよいか分かりません。
今これを書いているうちにも、本当に命を落としている方がいるのですから。
そして事実は、小説よりも残忍で残虐です。
どうしたものか――。
勿論、答なんてありません。
只、一つだけ誓わせて下さい。
私は、現在行われている戦争を、決してモデルにしない。
おぼろげながら構想がありますが(=殆ど何もありませんが)、私は、現在行われている戦争を、決してモデルにはしません。
だから何?って感じですね。
こんなことを宣言したところで、全く無意味なことは重々承知しております。しかし一言、発信したいと思いました。
言うなれば、物語を続けていく為の、自分の中のケジメです。
戯言にお付き合いさせてしまい、申し訳ありませんでした。




