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亡霊に取り憑かれた王女  作者: 曉月 栞


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17/85

色々大変なんだね

 ……ね、リア。


 ……何だ?


 馬を疾走させながら、リアは頭の声を聞いた。


 ……お前って色々大変なんだね。


 ……そう漠然と言われてもよく分からんが。


 ……自発的に危ない土地へ行き、そこから戦地へ向かう。セインティアでのことがなかったら、俺、お前が本当に王女か疑っちゃうところだよ。」


 ……はぁ――!!お前、自分のことは何もかも忘れているのに、そういう常識的なことだけは覚えているんだな!


 ……おお!そういえば!


 ……全くのんきなもんだ。


 ……そんなことないよ。……ケールっていい奴だね。


 ……そうだろう?いい奴なんだ。


 ……ケールはリアのことがとても好きなんだね。


 ……とても好き?……うん、好きか嫌いかで言ったら、好きなんじゃないか?ずっと私の部下だったんだし。


 ……近衛だったの?


 ……いや、厳密にはジェマーソンの部下。でも、実質的には私の片腕だった。


 ……なるほどなあ、そういうことか。


 ……ん?何がだ?


 ……近衛には容姿端麗がそこそこ求められるだろう?ケールは悪くないけど、そんな感じじゃない。


 ………………。お前、自分のこと以外は案外分かってるね。


 ……本当だねえ!でさ、ケールはお前のことが好きだよ。俺がお前を好きみたいに。


 ……そんな訳ないだろう!今はこっちに送ってしまったが、ずっと行動を共にしてきたんだ。そんな間柄ではない。


 ……そんな間柄だからだよ。


 ……意味が分からん。


 ……ずっと行動を共にしてきて、お前に惚れない訳がないだろう?俺が一番よく分かる。ケールはお前のことがとっても心配で、愛している。


 ………………。


 ……俺、ケールだったらいいな。


 ……何がだ?


 ……今世、一緒になるのがケールとでも。来世は俺が確約しているから、今世はケールに譲ってもいいかな。


 ……アホか――――っ!!


 ……あ、アホって……。


 ……自分のことは何もかも忘れているのに、どうでもいい常識的なことと、くだらない妄想だけは豊かだな!


 ……くだらないって……。


 ……山を越えるぞ!妄想に付き合っている暇はない!道なんかないから、踏み外したらお前も私もどうなるか分からないからな。ちょっとは黙ってろ!


 ……はい……。


 亡霊は口を噤み、リアが見上げた険しい山に視線を合わせた。






美しい王女様が、戦って活躍する話なんかいいな――。

そんな軽い動機でした。

炬燵で食べるアイスのように、雪が降りしきる中で入る温泉のように。

まさか、本当に、戦争が起こるとは。

「事実は小説よりも奇なり」とは、正にこういうことですね。

何と言い表してよいか分かりません。

今これを書いているうちにも、本当に命を落としている方がいるのですから。

そして事実は、小説よりも残忍で残虐です。

どうしたものか――。

勿論、答なんてありません。

只、一つだけ誓わせて下さい。

私は、現在行われている戦争を、決してモデルにしない。

おぼろげながら構想がありますが(=殆ど何もありませんが)、私は、現在行われている戦争を、決してモデルにはしません。

だから何?って感じですね。

こんなことを宣言したところで、全く無意味なことは重々承知しております。しかし一言、発信したいと思いました。

言うなれば、物語を続けていく為の、自分の中のケジメです。


戯言にお付き合いさせてしまい、申し訳ありませんでした。


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