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いそがしい女の子

作者: 春乃和音

「いそがしい! いそがしい!」

女の子が走っています。

赤いランドセルがパカパカ鳴っています。

「おじょうさん、かばんがあいているよ」

ご近所のおばあちゃんが言いました。

「おばあちゃん、こんにちは!」

女の子はおじぎをしました。

すると、ランドセルの中身がこぼれてしまいました。

「あらあら。 どうしていそいでいるの?」

おばあちゃんはノートをひろいながら聞きました。

「いそがしくならなきゃだから!」

女の子もノートをひろいながら答えました。

おばあちゃんは首をかしげました。

「どうしていそがしくしなきゃいけないの?」

おばあちゃんはもう一度聞きました。

すると、女の子もふしぎそうな顔をして言います。

「お父さんもお母さんも、いつもいそがしそうにしてるよ。 大人になるには、いそがしくないといけないんじゃないの?」

おばあちゃんは、やっと女の子がいそがしいわけがわかりました。

「おばあちゃんが、いそがしくしなくても大人になれる方法をおしえてあげるわ」

おばあちゃんは女の子の頭をなでました。

「お夕食は家族みんなで食べること。 そして、みんなで今日なにがあったかお話しすること」

「それだけで大人になれるの?」

「大人はよくお話して、よくお話を聞くの。 そのれんしゅうよ」

「うん、わかった!」

おばあちゃんのお話を聞いて、女の子は大人になる方法がわかりました。

「おばあちゃん、ありがとう!」

女の子はまたおじぎをしました。

こんどはランドセルの中身はこぼれませんでした。

それから、女の子はお父さんとお母さんと、よくお話しをするようになりました。

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