第三話 肉!
「ここがトゲウサギがいる森かあ」
3人は村のすぐ隣にある森にきた
「気をつけてね、突進されて角が刺さったら痛いよ。えっと…倒すコツは突進を直前で避けると一瞬動きが止まるのよ。その瞬間を狙って攻撃すればいいよ」
「ありがとうアリス!さあガンガン狩るぞー!」
「前方にトゲウサギ数匹の反応!」
ロックが叫ぶと茂みからトゲウサギが5匹飛び出してきた
ユウキは教えられた通り突進を避けて攻撃を繰り返す
「っしゃー!」
そう叫びながら時間はかかったものの3匹倒した
ピローンとレベルアップ音が耳元で響く
ユウキ 男 20歳
LV 3
HP 30/40
MP 16/25
鑑定2
治癒4
ヒール3
光属性魔法1 ←new
消費MP半減
獲得経験値2倍 ←new
インベントリ ←new
「おおおお…! なんかいっぱい覚えた!」
なになに!?とアリスとロックが駆け寄ってきた
「光属性魔法と経験値2倍とインベントリ覚えた!」
ユウキはそう言うと2人は驚きを隠せない
「レベル3でそんなにたくさん覚えたの? っていうか光属性魔法ってすごい貴重だよ! この国でも数えるほどしかいない…」
「すげーユウキさん! いいなあ…」
「インベントリ使ってみる」
ユウキはそう言うと全員の荷物を片っ端から入れた
「おおすごい! まだまだ入るみたいだ」
ユウキはしばらく入れたり出したりを繰り返していた
「前方50メートルに大きな反応あります!」
ロックが突然慌ただしく叫ぶ
「こ…これは… ジャイアントボアの反応かも…」
「ちょっと! ジャイアントボアって!」
アリスが少し動揺しながら言う
「ジャイアントボアってなに?」
キョトンとした顔でユウキは2人に尋ねた
「ジャイアントボアは体長5メートルにもなる獰猛なイノシシよ… 大きいほど肉は美味で高級料理店でしかお目にかからないわ! って何詳しく解説してるの…わたしたちじゃ勝ち目ない… 逃げるわよ!」
アリスがそう言い終わる前に草むらからジャイアントボアが姿を表した
「は…はやい! っていうかなにこの大きさ…!」
「やばいよ…お姉ちゃんやばい!」
目の前に現れたジャイアントボアは体長10メートル近くある
アリスとロックは足が震えて動けなくなっている
「でけー! 光属性魔法撃ってみよかな…」
ユウキは指先をジャイアントボアに向けて小さく叫ぶ
「聖なる女神の光よ! 敵を貫け!」
適当にそれらしい詠唱をして指先に力を込めた
指先から光の粒子がビームのように飛び出す!
チュン!
ジャイアントボアは頭部を貫かれ即死、崩れ落ちた
「ちょ!!! ユウキ!」
アリスがまだ震えがおさまらない足をガクガクさせながら近寄ってきた
「な…なに…いまの…」
「え…? 光属性魔法だよ」
「詠唱かっこよかっただろ!瞬時に思いついたんだ」
「これインベントリに入るかなあ」
シュン!
ジャイアントボアが瞬時に消える
ロックは言葉も出ない
アリスは目を丸くして口をパクパクさせている
「美味ってまじ!? 村のみんなで食べようぜ!」
「っていうかピローンピローン鳴り止まないんだけど…
あ、ようやく鳴り止んだ」
ユウキ 男 20歳
LV 15
HP 30/150
MP 35/100
鑑定3
治癒5
ヒール5
光属性魔法3
闇属性魔法1 ←new
MP自動回復 ←new
消費MP 1/10
獲得経験値4倍
インベントリ
「おおお…また新しいスキル覚えてる!」
「さあ村に帰ろうぜ! 肉だ肉!」