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ケース2 死神の足音㉛

「これ、勝平兄ちゃんの?」

 家系図の末端に、『浜 勝平』の文字が記されている。

 里香は横から手帳をのぞき込み、眉根を寄せた。

「いつ、どこで調べたんですか?」

「……掘 茂の自宅に忍び込んで調べた」

 目をぱちくりとした里香は、数秒遅れで叫んだ。

「ば、黙れ」

「あ、すいません、すいません。で、でも忍び込んだって泥棒じゃないですか」

「……バレなきゃ問題ない。依頼を達成するための必要措置だ。ま、岩崎と俺の命がかかってるんだ。神様だって許してくれるさ。なあ?」

 浜 幸子は、花が咲くようにパッと笑った。

「ええ、幸ノ神が許可します。あなたに文句を言う人がいたら、すぐさま天罰を与えてあげましょう」

 来世は頬をひくつかせた。正直、笑えない。

 里香も同じことを思ったのだろう。居心地悪そうに身じろぎをした。

「あー、あ! そうそう、何で勝平さんの家系図が茂さんの家に? 茂さんって岩崎さんの会社の社長さんですよね」

「ああ。それについては調べがついている。堀の自宅周辺にいる人々に片っ端から聞き込みをしてみた。するとだ、面白いことが分かった」

 来世は言葉を切り、咳払いをしてから再開した。

「堀は、浜 勝平の息子だ。といっても血のつながりはないし、法的には赤の他人だ。浜 勝平は、浜一家殺人事件の後、行方をくらませている。

 浜一家殺人事件の容疑者の一人として挙げられているが、結局見つかっていない。が、まさか灯台下暗しとはこのことだ。恐らくほとぼりが冷めたあたりで、帰ってきたのだろうな。彼は、堀 光子という女性と同棲していた。内縁の妻ってやつだ。堀 光子には連れ子がいた。それが、堀 茂。茂は、事実上の父である浜 勝平が設立した会社を継ぎ、現在に至っている」

「あ、あのね」

 浜 幸子が興奮した様子で言った。

「勝平お兄ちゃんは生きてるの?」

「いや」

 来世は首を振った。

「彼はガンで亡くなったらしい」

 浜 幸子は苦しそうに顔を歪めた。

「そっか。……まさか、この街にいたなんて。一度も会えてないのに、もういないんだ。せっかちだな」

 少女は里香に駆け寄ると、彼女の胸に顔を埋めた。

「……こっから先の話は、俺の想像が大部分を占める。だが、恐らく当たっている、ような気がする。それでも、聞いてくれるか?」


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