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ケース2 死神の足音⑨

「は! そいつは良いや。あんたが僕の冗談に溺れる姿が見れるなら一兆積んでも惜しくはねえ」

 ああ、始まった。こいつは商売人としては一流かもしれんが、話が横道に逸れまくるのが問題だ。……少々強引だが、話を先に進めるとしよう。

「護符を三枚出せ。良い物なら買ってやる」

「あ、あー護符ね……、へへ、お客さん、それよりヨイモノあるよ」

 胡散臭い口調で、奇々怪々が取り出した物は……お守りか?

 紫の小袋は、神社でよく見かける形をしている。

「これは?」

「うへへ、最高のお守りよ。ここらの近所に、闇払神社ってあるの知ってるだろう?」

 闇払神社……ああ、あの神社か。由緒正しく、聖なる気を発するご神木がある……というのがウリだったはずだ。

 あのご神木は通称があったはず。……確か、常世だったか。最近、その木に運悪く落雷し、火事になりそうだったと報道されていたな。

「知ってる。あの神社で売られているお守りか? そんなものじゃ、守りにならない」

 奇々怪々は、頬を引き延ばし、笑った。

「ヒハ、違うよー。もっとすごいよ、聞いて驚きな。あの神社のさ、ご神木の欠片を封入したお守りだ。もちろん、霊媒師による霊的な加工済み。こいつがあれば、サタンが相手だろうが近寄れないぃぃぃ!」

 青白い奇々怪々の顔が、今は赤くなっている。どんだけ興奮してるんだよ……いや、待て。ご神木の欠片って。うわ、胸に気持ちの悪い液体が広がった感覚がした。

「おい、もしかして。落雷したご神木をパクッたのか?」

「パクったって人聞きの悪い。焦げて見た目の悪くなった箇所をもらっただけよ」

 全く悪いと思っていない様子で、奇々怪々が頭を左右に振る。

 頭痛がするし、説教の一つでも言ってやりたいところだが、正直ありがたい。

 俺はお守りを手に取り、問いかけた。

「で、いくつ用意できる? これだけ強力なアイテムなら三つといわず、あるだけ欲しいが」

「いやー、お得意さんのあんたには融通したいところだけどね、悪いが買い手は他にもいる。……そうだな、結構パクって、おっと、もらってきたから、五つは譲れるよー」

「では、五つよこせ。……よし、守りはこれで万全だ。後は、霊媒師のほうだが……なんだ?」

 奇々怪々が、ただでさえ気持ちの悪い顔を絞った雑巾みたいに歪めている。


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