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ケース1 女子高校生失踪事件⑰

「俺の能力は、二つ。一つは、いつの間にやら勝手に契約されて得た、一時的に魔眼を得る能力。そして、もう一つがこの魔眼。こいつは生まれながらに持っていた魔眼でな。名を【審判ノ眼】という」

 女は、手で自身の目を覆い隠した。

「ハ、ハハハ。超能力ってやつかい? 目の能力ってんなら、あんたの目を直視しなければ良いんだろう?」

 来世は、金色の目で女の姿を凝視した。

「お前は、推理小説は好きか?」

「と、唐突になんだい。別に読んだりしないよ」

「そうか、俺は読む。あれは……そう、前に読んだ推理小説に、犯人が自分から犯行の手口をバラすシーンがあるんだ。なんで、そいつはバラしたと思う?」

 タラリ、と大粒の汗が一筋、女のこめかみから流れた。

「し、知らないね」

「なに、単純な話だ。犯人が手口をバラした相手は、探偵ではなく、サラリーマンの男だった。そして、その男は犯人が殺す予定の相手だったわけだ。死人に口なし。殺す相手になにを話しても構わないだろう」

「あ、あんた殺しはしないって!」

「殺しはしないさ。言っただろう、罰を与えるって。……じゃあ、始まるぞ。俺の目がお前を裁く。貴様に拒否権はない」

 ――鐘の音が鳴り響く。

「な、なんだいこれ?」

 そこら中から鳴る鐘の音に驚いた女は、目を覆い隠すのをやめ、周りを見渡した。すると、余計に女は驚いた。

 世界は、鮮やかさを失っている。食卓テーブルも床も天井も、全ては白と黒で統一され、漫画や白黒映画じみた光景は、およそ現実味がない。

 女は、頭を掻きむしり、来世を見た。彼女は、来世の姿に釘付けにならざるを得なかった。

 色彩のない世界で、来世だけは色を失わずに、佇んでいる。

「なんで、なんで、なんでなんだよ。あんただけ色がある。支配者気取りのつもりかい」

 来世は何も語らない。ただ、そこに色彩を抱き立っている。

 鐘はなおも鳴り続け、白い羽がどこからともなくひらりひらりと舞い散る。

 金色の目は、鐘の音に合わせて次第に光が強まり、女の視界を奪った。

 女は、身体をぶつけるのも厭わず、手を振り回す。

 どこかへ行け。怖い、こんな光なんて。そう叫ぶが、世界は女に構わない。

 ――カーン、カーン、カーン、……結論は出た。

 声が響く。

 ――判決を言い渡す。

 女は確かに、重々しい音が響いたのを聞いた。 


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