ー散歩編ー
俺は今年で32歳になる無職ニートのアニヲタだ。もちろん童貞である。
何もすることが無いため、お日様の春の光を浴びながら散歩に興じていたところだ。
しかし、トイレに行きたくなったので俺は家路を急いでいた。
俺が普通に横断歩道を渡っていると、急にトラックが突っ込んできた。
信号無視である。おまけにスピード違反。
これが可愛い女子小学生であれば撥ね飛ばされて可哀想に即死であっただろう。
しかし、撥ね飛ばされたのは俺にぶつかってきたトラックの方であった。
トラックは放物線を描いて宙を舞った後、川に落っこちた。
周りが大騒ぎしている中、俺はその場を後にした。
しばらく、道を歩いていると空から隕石が落ちてきた。
隕石はソニックブームを発生させて近くの民家やビルの窓ガラスをバラバラに破壊した。
そして、俺の頭に直撃した。
まるで宇宙からお叱りを喰らった気分であった。
そのまま隕石は砕け散った。
俺は髪の毛と肩に落ちた破片を払いながら先を急いだ。
途中公園があったので俺は公衆便所に入ることにした。
すると、突然大地震が発生した。
体感でマグニチュード10以上はあろう巨大地震だ。
地割れが起きて俺は便所ごと地の闇に落っこちた。
30分後、俺は元の大地へ這い上がってきた。
トイレは完全に崩壊し、水道管が破裂したりと散々である。
俺はやっぱり家に帰ることにした。
友達がいなくて鳴るはずのない俺の携帯電話が鳴った。
エリアメールかと思ったが違った。
非通知である。
とりあえず電話に出ると美しい女の声が聞こえてきた。
「私は魔法大国タリアテッレの王女ジェノベーゼと申します。今私の国が恐ろしい魔物たちに滅ぼされようとしています。
あなたの勇者としての力が必要なのです。どうか、私たちの世界に来て力をお貸しください」
そこまで聞いて俺は電話を切った。
また、着信音が鳴り続けたので電源を切っといた。
お腹が限界に近付いてきたので俺は家路を急いだ。
雲行きが怪しくなり、雨とともに雷が轟いた。
俺は手で雨をしのぎながら小走りしていたが、ちょうど俺の場所に雷が落ちてきた。
周りにいた人民はショックで軒並み倒れていった。
俺の少ない髪の毛も電流で爆発していた。
すぐに救急車が来たようなので俺は無視して帰ることにした。
いつの間にか雨も止んでいた。
途中、目の前に光輝く虹色の扉が出現したがぐるっと回りこんで後にした。
空から雲に乗った女神のような人物が舞い降りてきたが、地上に降りてくる前に逃げた。
突如時空がねじ曲がり、異空間に飲み込まれたが泳いで元の世界に戻ってきた。
そして、俺は家に帰ってきた。
トイレには間に合った。
便座に座って用を足しながら、俺は考え事をしていた。
それはもちろん来期から始まるアニメのラインナップの素晴らしさについてである。
時間はいくらでもある。ゆっくり楽しむとしよう。
俺は日本に生まれた幸運と、アニメーターの働きに感謝しながらケツを拭いた。