年寄りが頑固
筆者は慈善家ではないが、近所のよしみで「何とか助けになって上げられないか」と、密かに心を痛めている。ウチの会社なら姉弟を纏めて採用し、雇用条件に贅沢を言わなければ他の人と接触せず二人で完結出来る職場を用意出来る気がするのだ。
ただ障害は、近所という非常にデリケートな距離でもあるし、専門家でない筆者が必ずしも正確に状況を把握している訳でもない事だ。心無い周りの人達が原因である場合も多いが、本人自身に内在する原因(発達障害・自閉症・ウツ・統合失調症など)である場合もあるからだ。結果が上手く行かなかった場合を考え合せて、声掛けの勇気を出せないでいる。
やや重い最後になってしまったがーーー、冒頭の「引っ込み思案」を突き詰めて行くと「人は如何に生きるか」という事に繋がり、解決の「在りか」は仕事をする事(=働くこと)以外には無いのが分かる。どんな仕事もその中に大なり小なり目標があるから、得られる達成感こそが自己自信を確立する根本だと思う。冒頭のリケジョは学生で仕事をする領域まで未だ来ていない。
これが彼女への回答になったろうか。
「仕事をする」事は考えてみれば当たり前の結論なのだが、これが人が生きる事、即ち自信に深く関わっているのが分かる。(筆者の経験から実感として言わせて貰えば)自分に自信を持つ事は、生きる事を「自分の手の内に持つ」ことだという気がしている。違った処に自分の理想の人生が別に存在するのではなく、人からあり場所を示されるものでもなく、実は自分の手の中にちゃんとあるーーーという感じだ。それが自信。歳入った人は、多分みな大なり小なりそう感じているのではあるまいか。
蛇足かもしれないが、年寄りが頑固と言われるのは、脳細胞の劣化ではなくて、実は生きて来た結果培われれた多大な自信の持ち主だから、と言えそうだ。
完
2022.10.12




