生存競争
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若い時代に「自信」を持ちにくい理由の二つ目は、こんな風にも表現出来る:
「自信を持て!」の言葉の裏には、Aさんはxxxだのに、お前は気が弱いーーー負けるな!という風に他との比較が底にありそうだ。本人にも、負けたくない意識が何処かにある。
人生は他者との比較の為や目標完遂の為にあるのではなく、自己の幸福の追求の為にあるーーー。確かに一つの真理で、ガン箱(棺桶)に片足を突っ込んでいる年寄り同士がそう語り合うのは大変結構だ。
他方で、競争と他者との比較があってこそ、人類は新たな文明を築いて来たし、これからも進化して行けるのだと唱えるのも確かな真理で、こっちは若い人向きだ。例えばオリンピックが何よりの証拠で、強い者が弱い者を下し勝者から見れば、ざまあ見ろ!となる。観客は勝負の残酷さを観て楽しむのだから、証拠として説得力が高い。
人間社会は(仲良くお手て繋いで歩む)共同社会であると同時に、互いに切磋琢磨して比較される競争社会でもある。女でも男でも、他の同性を蹴落とさないと良い男(或いは、女)を我が物には出来ないから、気を抜いていたらこれまたスカを掴みそうでうかうかしておれない。無条件では勝てないから、女ならお化粧を武器にしたり努力と頑張りが要求される。一言で言えば生存競争で、競争が生きるという意味でもある。
ここに自信が大いに関係するのは言うまでもない。競争に負けるばかりでは自信は持てないし、勝ちが多ければ自信になる。勝つか負けるかとなると、どっちつかずで不安になり引っ込み思案となる。




