凄いっ!
因みに最近の筆者の一日はこんな具合だ:午前中はあれこれ社員の相談に乗ったり決済したりする「いわゆる社長業」に集中している。当然にして、正午近くになるとめまいがする程飽きて来る。
昼からは倉庫へ降りて、そこにあるガタの来た古い旋盤とフライス盤を使って機械部品を製作する。工員に成り切って大概夕方まで従事する。なに健康法ではない、気分転換法だ。土日の休日は、朝から夕方まで機械の運転をしている。
部品を作りながら、時々は奇怪な実験をやったりもして、結果が新奇な発明に繋がる事があった。一時永久機関(=エネルギーが無いのに勝手に動く機械)作りに熱中した事がある。巧妙に試作して社員達に見せた処、誰一人ウソを見抜けなかった。筆者のやる研究や開発は嘘か誠か、真偽がスレスレの犯罪領域を狙ってやる場合が多い。作り上げた作品を眺めて自分でも暫くは信じられず、オレはペテン師じゃあるまいかと時々疑う。
サンプルを見て人が「凄いっ!」(=半分はお世辞)と感心してくれても、本人は半信半疑で「なに、大した事ではない」と考える癖がついた。発明品の半分は遊びだが、アイデアを大いに気に入ってくれて高額なお金を払って買ってくれるお客も中にはいる。不思議ではあるが、作品の巧妙さに気が動転するせいだろう。代金を貰う時、毎回何か悪事をしたみたいな気分になる。




