起業のコツ
分からないもので、これが結果的に「運よく」起業のスタートの入り口だったなんてーーー予想だにしなかった。もし、筆者が起業のコツを訊かれたら、「失業して・小さな会社のセールスマンになって・まず最下位の成績を達成する事」と応えるだろうが、果たして一体誰がすんなり信じようか。成功の為に何が大事か、体験から以下の起業のコツが分かる:
①小さな会社に入る事が大きなポイント。給料や待遇は恵まれないが、それ以上の恵みがある。会社が成り立っている仕組みを学べて、そのまま真似をすればよい。簡単でしかも失敗のリスクが少ない。
味の良さで評判のケーキ店に入社し職人修業すれば、技術とコツが掴めるから、容易に独立して自分のケーキ店を開店出来る、のと同じだ。
②こうして先ず人まね、つまり自分が居た会社のやり方の真似をするのだ。やがて経営が安定すれば自分の特色や独自のアイデアを加えて行けばよい。そして成長する。簡単な事だと思う。
③次に成功の最も大事なポイントは、マーケテイング(=売る事・セールス・注文取り)である。売り方はどうやっても構わない。これは「業種に関係なく(建築事務所の経営も例外ではない)」共通した必須科目で、セールスマンが出来ない・大嫌い・性に合わないならば、起業のアイデアはゴミ箱行きだ。
この意味で、性格として「人を好き」というのは営業面でプラスとなるから、成功の為に大きな助けとなる。(因みに、筆者は嫌いではなかったが、技術系人間の傾向だろうか、元々人を余り好きではなかった。対策として「好きになるように」努力し、工夫をした)
販売さえ上手く行けば、最新の科学を使わなくても何とでもなる。経営がまずくても少々無駄遣いをしても、仮に女遊びにうつつを抜かしても、所謂ドラッカーの経営論に無知であっても、会社は成功するものだ。
経営と道徳は別物だから道徳家である必要はないが、卑しくも社会的に法人格なのだから、人の模範となるようでありたい(筆者も努力しているが、思うように行かない)。販売がそれほど大事と言いたいわけで、経営の基本中の基本である。
経営者でありながら、この基本を認識していない人は世に案外多いもので、滑稽な位だ。大小に関わらず、会社がだから潰れる。




