器の違い
適切な助言を与えるシステムや講座が最高学府の大学に必要だと先に書いたが、会社を倒産させるような未熟な講師なら居ないほうがましだし、成功させる人なら年収数千万円貰っても講師稼業など引き受けまい。大学で教えるとすれば、ケーススタデイとして、複数の他人の成功例をスタートから成功までのプロセスを研究しながら、客観的に解説するのがよいと思う。講師は学生に教えるというよりも、「一緒に考え・研究する」方式だ。講師は責任を免れるし、かといっても、非常に有益な講座になると思う。
話の脱線ついでに言えば:
先に(起業のやり方は)「人に教えられる筈だ」と書いたが、根拠のない事ではない。無論私は起業のやり方を教える講師ではなく、日々金もうけに忙しい経営者である。けれども実は無意識にその役割を担っており、結果的に弟子を育てて、五人に起業させた経験がある。
内3名は従業員だったし、残り2名の中の一人は、ウチの会社のスタート時点から付き合いがあって、会社の成長過程をつぶさに観察していた人だ。真似るだけだったから起業は容易だったに違いない。従業員だった3名は、飲み会・食べ会の場で、私が問われるままに創業者ならではの経験を、面白おかしく語って聞かせていた話が、彼らに「(それなら)オレにも出来る」とその気にさせたのだった。
因みに、独立起業した5名の中で、3名が今も会社として健在である。2名は倒産したが、理由は共通していた。成功して有頂天となり持ちつけない金に目がくらんで、1名は女とゴルフに金を使い過ぎて離婚と倒産。他の一名は会社の金と個人のお金をごっちゃにして、自分で気づかぬ間に倒産した。
ただ、先の通り3名の弟子の会社は健在で起業後15年以上になるが、師を未だに超えられていない。なに、経営者の器の違いさ。




