表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
907/1693

安心して社長になれる

 外にも定年退職者のくせに年収950万円を稼ぐ猛者もさも要るが、切りがないので省略する。


 次に彼らに負けず劣らず高給取りの筈の筆者だが、筈だけであって、会社設立以来自分の給料の正確な額を知らない。筆者の配偶者も同じ会社の経理部(=給与係り)で働いているが、この女はずっと以前から、「私の給料は全額私のもの、夫の給料も全額私のもの」と考えるタチで、知らない内に夫の給料全額をかすめ取っているからだ。


 年中無休で働く夫へは、「生かさず殺さず」の雀の涙ほどの小遣いを呉れてやればおんの字と考えている。年中無休なら小遣いも使う暇が無く、雀の涙でも多すぎる、それの証拠に夫は今でもちゃんと元気で生きているじゃないの、とうそぶく。この残酷さが罪にならないのは、我が国の夫婦制度の欠陥である。


 会社で筆者のやる仕事は色々ある。最近は倉庫にある中古の旋盤とフライス盤を自ら操って機械部品のサンプルを次々に作っている。機械の運転を修理係のT君から四ケ月前に教わったからだ。修練を積んで今や技量は師を凌ぎ、並みの職人以上だから転職先に絶対困らない。


 社長が経営をやらずに職人仕事をやっていて転職を考えるなんて、会社は一体大丈夫かと人は思うかも知れない。それは今なお世間で支持を集めている見方だが、なに、忙中閑ありの言葉がある通り、会社がそこそこ順調なら、社長というのはかんだらけなのだ。

 ひょっとして将来間違って社長になったら多忙で大変、と心配する向きがあるかも知れない。だから、この知識を知っておくと安心して社長になれる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ