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愛と平和な職業

「貴方を見ていると、輝かしい戦果を挙げたいとしゃかりきになるのが男の特徴みたいだけど。学んだ知識を女は競争や出世の目的でなく、自分自身の為や殆ど無意識に人の為に使いたいと願うものよ、基本的に。男との違いで、これが女の性質たちなの、分る?」

「うむーーー、何となく分る」と、愛想良い積りで溜息をついた。


「女は人の世話とか人とかかわるのが好きだと思うわ。だから適職として選ぶとすれば、ホテル業とか銀行とか航空産業やレストランみたいな飲食関係ーーー、看護婦や理学療法士や医者も公務員も、適職だと思うわ。人を助けたり世話をする仕事で、競争はあまり関係ない。無論主婦業だって悪くはない」

「何処となく愛と平和な職業だなーーー」


「自治体の公務員なんかも女向きと言えるわ。公僕だから人の世話をする仕事よ。その意味で言えば、議員なんかも女の適職と思う。むしろ最適よ」

「ふーん、男は働いて戦って出世をし金を稼いでくるから、女は男達が働きやすいように政治にたずさわるって訳かーーー」


「ひと昔まえまで女が家庭を守って夫の世話をし子供の教育を担い、近所付き合いをしていたでしょう? 言えば、これは一家を経営する小さな政治と言えるわ。男は外で戦って稼いでくる。国も同じ事で、一つの大きな家庭と考えたらいいと思う。


 女が政治家になって、戦果を上げたがる男たちが働きやすいように国を経営するのよ。隣近所つまり諸外国とお付き合いするのも女よ」


「ーーーうむ、流石に斬新なアイデアだ! 女が政治を全面的に担うかーーー」


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